« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »

2013年9月

新宿で観たい映画5本

9月7日(土)

新宿テアトル 『ゼンタイ

久し振りのレイトショー。この作品だけは何としても観たかった。『ぐるりのこと。』の橋口亮輔監督の最新作はなんと60分足らずの中編で,レイトショーのみ上映。でも,予告編を初めて観て,橋口監督でなくても観たくなった作品。「ゼンタイ」とは全身タイツ愛好家のこと。作品ウェブサイトを見ると,実在する全身タイツ愛好家と橋口監督の対談が掲載されていますが,それによると本当は全身タイツ愛好家はかなりマニアックな人たちで,性的な意味合い(いわゆるフェティシズム的な)が強いらしい。しかし,作品ではその辺はあまり強調せず,よくありがちな人々の社会関係上の悩みを浮き彫りにするツールとして登場させている。出演者も恐らく舞台俳優さんなどだとは思いますが,実名で登場したり,あまり観たことがある人はいません。でも,だからこそ愛すべき作品。この上映時間は相応しく,さすが橋口監督,きらっと光るものを感じる作品です。

9月15日(日)

台風が近づく中,妻は息子を連れて栃木へと旅立った。妻の母親が一時的に来日しているということで会いにいくのだが,私は自宅の引っ越し作業(この話はまだ書いてないか)などもあって,一人東京に残ることになった。家族と大宮まで一緒に行って昼食を食べて,私は都内に戻る。有楽町に向かいます。公開初日に映画館に行ったものの,2回先まで満席で諦めた『タイピスト!』。しかし,なんと1時間近く前に着いたのに,また満席。さっと諦めて新宿に向かいます。

新宿テアトル 『夏の終わり

こちらも前売り券を購入していた作品。瀬戸内寂聴原作ということにはあまり興味はなかったけど,監督が熊切和嘉で主演が満島ひかりというのはやはり見逃せませんね。相手役で小林 薫と,またまた綾野 剛が出ています。なんでもここ2年間で15本の映画に出演したとか。

満島ひかりちゃんは2009年に『プライド』と『愛のむきだし』で圧倒的な存在感で私の中では一躍注目の女優ということになりましたが,最近では良質なテレビドラマでかなり認知度を高めているようですね。確かに,この作品でも彼女であることが大きな意味合いを持っていると思います。時代的な描写も非常に丁寧で映像的にも素晴らしい作品。でも,ちょっと役どころとしてはひかりちゃんは若すぎたのではないかという気もしないでもない。そこだけが気になってしまう作品でした。

9月16日(月,祝)

久し振りに自宅で一人で迎える朝。一応予定では朝一で新宿に行って映画を2本観る予定でしたが,台風の接近によって風が強かったせいか,家族がいなかったせいかともかく,よく眠れなかった。起きても相変わらずの暴風雨。朝から出かけるかどうか悩む。台風くらいで映画館が上映を取りやめるということはないのが東京だが,電車が途中で止まってしまうという可能性はなくはない。私の家は線路が目の前にあるので,京王線が止まっているかどうかってのはよく分かる。行き過ぎる電車をみると,やはり乗客はまばら。こんな日に出かける人なんていないよな,なんて思って,とりあえず朝一に出かけるのはやめて,少しおさまってからなんて思っていた。しかし,相変わらず電車は動いていて,8時過ぎの上り電車は意外にもけっこう乗客が乗っていた。それを見て,急に気が変る。こんな日でも電車を運行する人たちがいて,そしてこんなにも出かける人がいる。私は家でこんな風にくすぶっているべきなのか。ということで,予定通りでかけた。

新宿シネマカリテ 『タイピスト!

実は,前日に満席で諦めたこの作品。新宿でもやっていたのです。でも1日2回。ともかく行ってみました。結局台風の影響で電車が遅れてしまい,映画館に着いたのはギリギリでしたが,こちらは台風のせいか,朝早いからか,すかすかでした。ありがたい。さて,この作品ですが,まあ,タイトル通り。デボラ・フランソワ演じる女性がタイピストという設定。フランス映画ですが,まだまだ女性の就職が珍しい時代にその憧れの職業としてのタイピストを描いているわけではありません。主人公はロマン・デュリス演じる男性が経営する保険会社の秘書として採用されるが,秘書には向いておらず,タイピングの才能を開花させたいという思いから,タイプライター早打ちコンテストに出場するという物語。なんとこの主演のデボラ・フランソワ,ダルデンヌ兄弟の監督作品『ある子供』,そして『譜めくりの女』に出ていた女優。それら2つの作品ではほとんど笑わない訳でしたが,本作はかなり華やかな役どころなのでちょっと違和感が拭えなかったのですが,後で分かって納得。笑顔が上手な女優さんではないですが,とても奇麗。本作の役どころもなかなか。でも,そんなに日本で人気になる作品とも思えないのだが。

新宿武蔵野館 『あの頃,君を追いかけた

続いて観たのは台湾映画。日本で上映される外国映画のいくつかは本国で大ヒット日本上陸,みたいに宣伝するものなのだが,妻によれば本作は台湾で本当に大ヒットしたとのこと。甘酸っぱい青春映画ってもの昔は日本もあったが,最近はあまりないので,逆に新鮮。私自身,予告編を観て観たくなった作品です。本作には原作があり,自叙伝的な内容ですが,最終的に原作者本人がメガホンを握ったとのこと。監督はギデンズ・コーという名前。主人公は監督の本名でウェブ小説の作家になるというところまで一緒。主人公たちは高校生。冒頭は下ねたタップリなバカな男子高校生の青春劇ですが,特定の男女(主演の男女です)が惹かれ合っていく過程が,かなり男目線的ではありますが,なかなかうまく描かれています。

ここで時間は14時過ぎ。妻がどのくらいに帰って来れるのか。帰ってくる前にもっと引っ越しの準備を進めておくべきか。もう1本映画を観るとそれなりに遅くなるけどまだちょっと早いから献血でもするか。悩んだ挙げ句,先ほどいったシネマカリテで上映中の『サイド・エフェクト』がちょうどよい時間だったら観て帰ろうということになった。

新宿シネマカリテ 『サイド・エフェクト

ということで,結局観ることになったスティーヴン・ソダーバーグ監督が最後の作品と公言している作品。私はしっかり『セックスと嘘とビデオテープ』は観ています。その頃は若く,まだ内容はよく理解できませんでしたが,こういう難しいけどスタイリッシュな映画ってあるんだ,と思っていた。当時からフランス映画は好きだったけど,その難しさとは質が違う。そして随分経って同じ監督の作品に出会ったのが『アウト・オブ・サイト』。ジョージ・クルーニーは知っていたが,ジェニファー・ロペスはこの作品で初めて知る。なんてセクシーな女優さんだろうと思ったら私より1歳年上ということで驚く。この作品は分かりやすかったが,とにかくスタイリッシュでかっこ良かった。その後来るのが『オーシャンズ11』だが,器用な監督だなという印象で,大衆的な作品も多く手がけるようになった。結局それからはあまり彼の作品を追いかけることはなかったが,本作は出演俳優も含めて非常に魅力的だった。

主演はジュード・ロウ。『ソーシャル・ネットワーク』は観ているが,『ドラゴン・タトゥーの女』は観なかったのでルーニー・マーラは初めましてに近い。そして,キャサリン・ゼタ・ジョーンズも出演しています。いやいや,多くを語る必要はありませんね。予想通り,私が好きなソダーバーグ作品です。スタイリッシュでスピーディーで,謎めいていて最後はしっかりとオチがある。彼が監督業の引退をこの作品の前に決めたのか後に決めたのかは分からないが,本当にこの作品が最後になるのであれば,まさに有終の美ですね。

久し振りの3本立てでした。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

私の論文ダウンロード

ちょうど7年ほど前に作った私の業績一覧表ですが,たまには更新したいと思います。今年は私が初めて学術雑誌に論文を載せてから20周年記念の年ですし。

ちょうど新しい論文がほぼ同時に2本発表されました。『地理学評論』掲載論文については手元に抜き刷りがありますので,ご希望の方はメールでお知らせください

成瀬 厚 1993. 商品としての街,代官山.人文地理 45: 618-633.⇒「1993.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1994. わが国の地理学における文化研究に向けて.地理科学 49: 95-108.⇒「culture1994.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1996. 『Hanako』の地理的記述に表象される「東京女性」のアイデンティティ.地理科学 51: 219-236.⇒「1996.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1996. 現代吟遊詩人の声を聴く─―甲斐バンド『英雄と悪漢』の分析.地理 41 (12): 46-52.⇒「1996b.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1997. 地政学的意識と批評.地理学評論 70A: 156-166.⇒「geopolitics.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1997. レンズを通した世界秩序――世界の人々をテーマにした写真集の分析から.人文地理.49-1:1-19.⇒「1997.pdf」をダウンロード

Naruse, A. 1997. A note on the concept of place. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University 32: 59-68.⇒「place1997.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1997. 『地と図』を読む.地理科学 52: 107-117.⇒「geoimage1997.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1999. 小説の時空間分析――クンデラ『冗談』をテクストに.地理科学 54: 81-98.⇒「1999.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2000. マトリックスから何が生まれるか?――映画『マトリックス』の場所論的解釈.地理科学 55: 107-116.⇒「matrix2000.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2000. 東京生活のススメ――女性週刊誌『Hanako』が提供する賃貸住宅情報の批判的解読.季刊地理学 52: 180-190.⇒「hanako2000.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2001. 東京・武蔵野・江戸――写真による地理的表象と自我探求.地理学評論 74A: 470-486.⇒「tokyo2001.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2001. この部屋を見て!!――女性一人暮らしのカタログ.理論地理学ノート 12: 39-46.⇒「2001.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2002. 拾い集めて都市と成す――泉 麻人の街歩き.10+1 29: 117-126.⇒「2002.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2004. 場所の文法――地理学における隠喩論と都市ガイドの分析.地理科学 59: 98-114.⇒「2004.pdf」をダウンロード

成瀬 厚・杉山和明・香川雄一 2007. 日本の地理学における言語資料分析の現状と課題――地理空間における言葉の発散と収束.地理学評論 80: 567-590.⇒こちら

成瀬 厚・香川雄一・杉山和明 2008. 言説概念を介してみる人文地理学者のアイデンティティ――日本の地理学者に対する意識調査の解釈から.空間・社会・地理思想 12: 13-20.⇒「SSGT2008.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2012. 街で音を奏でること――2005年あたりの下北沢.地理科学 67: 1-23.

成瀬 厚 2012. 歩きて街に文字を刻む――ポール・オースター『ガラスの街』の間テクスト分析.コミュニケーション科学 35: 153-177.⇒こちらからダウンロードしてください。

二村太郎・荒又美陽・成瀬 厚・杉山 和明 2012. 日本の地理学は『銃・病原菌・鉄』をいかに語るのか――英語圏と日本における受容過程の比較検討から.E-Journal GEO 7 (2): 225-249.⇒こちらからダウンロードしてください。

成瀬 厚 2013. 地名を用いた公共施設のプロモーション――空港名の愛称化を事例として.E-Journal GEO 8 (1): 78-95.⇒こちらからダウンロードしてください。

成瀬 厚 2013. 遠近法主義に抗う現代風景芸術――芸術を対象とする景観研究.地理学評論 86: 413-435.

| | コメント (19) | トラックバック (1)

アルブレヒト・デューラー

アーウィン・パノフスキー著,中森義宗・清水 忠訳 1984. 『アルブレヒト・デューラー――生涯と芸術』日貿出版社, 319(本文)+28(索引)+図版,円.

パノフスキーの著作はできるだけ集めている。ある日、国立の古書店で見つけた本書。本書の存在は全く知らなかった。さほど高くはなかったが、けっこう大判で重たいので値段だけ覚えてその場は帰宅した。早速Amazonで中古品を調べると同じような値段。もう少し安値で出るのを待って購入。会社に持ってきて昼休みに少しずつ読んでいたが、別にやることがあったりして、数ヶ月かかってようやく読破。まずは目次から。

第一章 待弟時代と若き日の遍歴 1448-1495年

第二章 旺盛な制作力の5年間 1495-1500年

第三章 合理的総合の5年間 1500-1505年

第四章 イタリア再訪と彩色の極致 1505-1510/11年

第五章 版画芸術の新しい探求――銅版画の極致 1507/11-1514年

第六章 マクシミリアン一世のためのデューラーの活動――装飾様式 1512/13-1518/19年

第七章 1519年の転機――ネーデルラントへの旅 1520-1521年――最後の作品群 1521-1528年

第八章 美術理論家としてのデューラー

補遺 エラスムスと視覚芸術

補遺は訳者がパノフスキーの遺稿を本書に訳出したもの。第八章は別として、本書の副題にもあるように、半分は伝記的に生涯を時系列的になぞって構成されている。しかし、美術史家であるパノフスキーだから、いわゆる伝記的著作ではない。300以上の図版を掲載し(デューラーのものではないものも含む)、デューラー作品の図像学分析が中心となっている。

もちろん本書の分析も素晴らしいのだが、いままで知らなかった多くのデューラー作品に触れることで驚きと刺激に満ちた読書だった。たまたま、今度『地理学評論』に掲載される風景芸術に関する論文を学会編集とやりとりするなかで読んでいたので、本書も引用することができた。風景画と遠近法は切り離せない。どちらもルネサンス期に確立していくが、遠近法の発達は南欧のイタリアで、風景画の誕生は北欧ネーデルラントといわれている。デューラーはその中間のドイツの人間だが、本書にもあるように若き日の遍歴としてイタリアを訪れ、遠近法を学ぶ。風景画的主題はデューラーはかつてから手がけていたが、イタリアからの帰路でその画面構成は大きく変化するという。そして、その後はあまり風景的主題を描かなくなった。

第七章で詳しく論じられているが、デューラーは遠近法を用いた絵画制作の手法を手引書として出版している。そのことが遠近法的風景画の発展に大きく寄与していると思っていたのだが、実際はそうでもないらしい。でも、ともかく遠近法に基づいて風景画を描いた人物としてはデューラーはかなり初期の人物だということは間違いないようだ。

もちろん、本書を風景画について学ぶことだけに限定するのは不十分だ。何よりも、その図像学的分析は素晴らしい。というか、著者の博学によって、デューラーの芸術的、思想的源泉を場合によっては古代まで遡って突き止めていくさまは圧巻だ。そして、デューラー作品に描かれた無数の図像。この天才芸術家に対峙できるのはこの天才美術史家のみである、そんな私自身の才のなさを痛感させられる読書でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

手足口病

水曜日。仕事中に妻からメール。昼間に保育園から電話がかかってきて、息子が熱を出したから迎えに来て欲しいとのこと。妻は仕事を切り上げ、迎えにいき、病院へ。

39度の熱で、診断は「ヘルパンギーナ」。私は初めて聞く病名だったが、仕事場でその話をしたら子どもを持つ人は知っていました。手足口病と似たウィルス性の病気で、夏季に子どもがかかりやすいという。喉に水泡ができ、場合によっては飲み食いが辛いらしい。その日は私は定時まで仕事をして帰宅。腸に宿るウィルスということで、食事の際に気をつける。また、便には長期にわたってウィルスが残るというので、オムツ換えにも注意が必要。

ともかく、木・金と保育園はお休み。私が2日間午前休を取って、妻には午前中で仕事を上がってもらう。熱はとりあえず、木曜日に落ち着き、37度前後になる。しかし、木曜日の夜あたりから膝や腿の内側に小さなできものができてきました。どうやらヘルパンギーナではなく、手足口病だったようです。金曜日の午前中に私が病院に連れて行く。本人は熱が下がってまったくもって元気。心配した飲み食いもほとんど問題なく、1日目はゼリーや果物だけでしたが、2日目の夕方からお米も食べられるようになる。

病院では医師が申し訳なさそうに、病名の変更をし、まあ月曜日からは保育園にもいってよいでしょうという診断。しかしその後が大変だった。土曜日はいつものように家族で出かける。一応吉祥寺のアンティーク家具屋ということになっているが、人込みは避け、三鷹から歩いていく。距離的にはこちらの方が近く感じた。息子と私は帰宅し、妻は建設中のわが家を見に行く。

日曜日。朝起きると妻が調子が悪いという。とりあえず、家にいるからと、私は映画を観に渋谷まで。帰ってくると息子のできものが足じゅうに広がってしまったらしく、休日診療をしていた皮膚科に連れて行ってくれた。なにやら蕁麻疹とのこと。原因はよく分からないが、ともかく塗り薬をもらってきて落ち着いたらしく、私の帰宅時には息子は寝ていた。しかも、それだけではなく、妻も体がだるいからと一緒に寝る。みるみる熱が上がり、39度を越えてしまう。息子はその後、徐々に回復していくが、妻はかなり辛い様子。

結局、月曜日に妻は仕事を休む。私が朝保育園に送っていき、16時までに迎えに行くということで15時で早退し、帰宅。妻は結局感染してしまったんですね。潜伏期間が数日あるということで、息子の病名が分かる前にうつっていたのかもしれません。熱で一晩苦しんだ後、火曜日にはなんとか仕事に出かけます。しかし、結局その後4日くらいはろくに食事ができず、豆腐が主食でした。のどの後は足にできものができたようです。息子とは違い、足の裏に集中してできてしまい、歩くのも辛いとのこと。幸い、私には感染せず、その週は乗り切りました。

<>土曜日の外出中に急に妻が「お腹減った」といい、府中のとあるフードコートで焼きそばを頼み、完食。それでもまだ空腹は満たされなかったようで、さらにから揚げ。ということで、1週間でようやく回復に向かいました。

8月25日(日)

渋谷オーディトリウム 『HOMESICK

家族が苦しんでいる中、観に行った作品がこちら。この映画館も名前が変わって来たのは初めて。本作はぴあフィルムフェスティバル(PFF)のスカラシップ作品です。本作で22作目ということですが、私は12作目(『許されざる者』の李監督)から全て観てきています。ということで、期待していた作品。廣原 暁という監督で、『花とアリス』の郭 智博君主演。本作の役どころはぴったりですね。

実家がとある不動産開発のために立ち退きにあう。父親は立退き料で地方にペンションを買い、事業を始めようとする。母親はその少し前に亡くなり、妹は実家を出て世界放浪の旅。主人公は小さな塗装業者で働いているが、これといった目標もなく、誰もいない実家で暮らしている。立ち退き期限の直前に会社がつぶれてしまい、一度は不動産屋に鍵を渡すが、行く当てもなく、隠しておいた合鍵でまた実家生活を続けてしまう。そんな折に以前からこの家をターゲットに「ピンポンダッシュ」をして遊んでいた悪ガキ3人組と絡むようになり、夏休み中この家で遊んで過ごす。しかし、不動産屋から立ち退きの圧力がかかる中で主人公は今後の人生をどうしようと決断するのか。

スカラシップ作品らしく、俳優のネームバリューや高額な制作費・宣伝費ではなく、素朴に脚本と演出で勝負する作品ではある。しかし、ちょっとこじんまりとまとまりすぎの印象がなくもない。いい作品ではあるが、荒削りでもいいからどこか飛びぬけた個性があったらと願います。

9月1日(日)

有楽町ヒューマントラストシネマ 『ニューヨーク、恋人たちの2日間

ジュリー・デルピー主演監督作品。もちろん、『パリ、恋人たちの2日間』の続編であるが、もう少しいうと彼女が主演していた、リチャード・リンクレイター監督作品『恋人たちのディスタンス』、『ビフォア・サンセット』の系列に位置しているともいえる。ちなみに、こちらも続編『ビフォア・ミッドナイト』ってのがやはりイーサン・ホークとの競演で制作されたらしい。

実はこの日は映画サービスデー。前売り券を購入している作品がいくつかあったのだが、1000円で観られるということで、急遽別の作品を探す。上映終了間近ということで選ばれたわけだが、実はそれほど期待はしていなかった。でも、とても面白い作品でした。

しかも、エンドクレジットを見ていると、本作でジュリーは音楽も担当しており、数曲は彼女の作曲で彼女自身が歌っている。なんというマルチ人間なんでしょうね。私より1つ年上ですが、本作では38歳の役を演じています。確かに、かなり老け込んだ印象ではありますが、ともかく奇想天外な人々の登場ではっちゃかめっちゃか楽しい映画です。後半では、なんとヴィンセント・ギャロが本人役で出演しています。見逃さなくて良かった作品。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »