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引っ越し終わりました

引越しが終わりました。

引越し日は金曜日でその週末は台風の襲来が予想されていましたが、金曜日は小雨で、家での開封作業をしていた土曜日は土砂降りでちょうどよかった。当日は息子の安全のこともあって、私の母親に来てもらう予定だったが、台風でそちらは中止。その代わりに調布にあるシルバー人材センターの託児所に一時預かりをお願いして無事、引越しを終えることができました。

翌日にはマスターウォールのダイニングテーブルが搬入され、その翌週にはアンティークで見つけたダイニングに置く家具が搬入されました。1階の書籍スペースもほぼ予定通りの収まり具合で、新たに1面は天井までの本棚を買い足す予定。これまではけっこう暫定的な分類で置いていて、ほとんどが前後2列での使用だったので、棚板の奥行きよりも本が出ていたり、前の本をどかさないと奥の本が取り出せなかったりと不便だったけど、今度は基本1列使用、そして、雑誌のスペース、洋書、写真集などと区別して並べることができそうです。

新居はともかく快適。ダイニングキッチンで使用している床材は挽き板なんだけど、1階洋室で使用している無垢材よりも木の質感が素晴らしく、それでいてゴミや汚れが目立ちにくい。まあ、家のことを書き始めると止まらないので、またの機会にとっておきましょう。


1019日(土)

渋谷ユーロスペース 『ハーメルン

なんと、今年初めての渋谷ユーロスペースでの鑑賞。本作はどうしても観たいと決めていたわけではない。最近ではテレビにも出るようになって知名度も増してきた西島秀俊主演だが、宣伝もあまりしていないのか、ユーロスペースでひっそりと上映していて、なんとなく観たくなった。というのも、最近はぽっと自由な時間ができるので、急に観られる映画を決めなくてはいけない状況だが、そんななかひっかかってくるのは上映終了間際の作品。

本作は福島県の田舎町が舞台。廃校になり、取り壊しの決まった校舎で一人暮らしをしているかつての校長。取り壊しの前に博物館の資料を選別するスペースとして利用するということで、博物館の学芸員役として西島が出演している。校舎の管理の担当役人ということで出演しているのが水橋研二。そこで再開するこの小学校の同級生という設定。他にも各時代の卒業生たちが楽器の練習などで集っては、校長が淹れるコーヒーをすする。そんなのんびりとした映画。老人の出演者も多い。その老人の一人が倍賞千恵子さん。西島作品にはよくあるのだが、この作品も彼が何か特別な役割を果たすわけではなく、終始仏頂面で、主人公といえどその心理状態を掘り下げるような演出ではない。そんな映画だから倍賞さんが花を添えている。特に若い女性の出演者はない。さすがに倍賞さんも歳を取ったなあと思ってしまうが、非常によかったのは、この廃校を使って行われる地域の祭のシーン。ここでも若い人間は出てこない。祭というより同窓会なんだろうか。雨によってステージは片付けられてしまうが、校舎の中で飲み食いしているシーンで、グラスワイン片手の倍賞さんが歌いだす。すると、楽団の連中が演奏し、人々が聴きに集まってくる。劇中で役者が歌うシーンというのはどこか恥ずかしさがあって困るのだが、その歌声とそのさりげなさが素晴らしい。

1030日(水)

吉祥寺バウスシアター 『パッション

観ようと思っているうちにこちらも上映終了間近になっていたらしく、逆に吉祥寺バウスシアターでは一足遅れての公開だった。ちょうど大学講義日の水曜日は1000円均一ということで、講義後献血をし、その後観ることにした。本作はブライアン・デ・パルマ監督最新作ですが、それより予告編で観た、女の戦いというストーリーが非常に魅力的。主人公を演じるのは『ドラゴン・タトゥーの女』のナオミ・ラパス。スウェーデンの女優でありながら、この映画のヒットで『プロメテウス』などのハリウッド映画にも進出。でも、それは観ていないので、ハリウッド版ナオミは初めて。その相手役がレイチェル・マクアダムス。残念ながら期待していたほどエッチなシーンは少ないのだが、やはりこの2人のやりとりは見応えがあります。タイトルはもう少し工夫がほしかったところ。

111日(金)

1週間限定レイトショー上映の『豆大福ものがたり』を観る許可をもらって、仕事終りに神保町に出かける。ひょっとしたら残業になるかもしれなかったし、連日満席で観られないことを覚悟で、19時からの本作も観るつもりでいた。幸い、残業はさほど必要なく、上映40分ほど前に劇場に到着すると、間に合いました。映画サービスデーですが、1000円ではなく1400円。神保町にきたら迷わず行くのがエチオピア。この日は野菜豆カレーを辛さ3倍で注文。初めてのメニューでしたがメチャクチャ美味しい。

なんとこの日は神保町の古本祭でしたが、残念ながらそちらは眺めるだけ。映画館に戻ります。

神保町岩波ホール 『ハンナ・アーレント

アーレントの本は『人間の条件』と合同出版の『過去と未来の間に』くらいしか読んだことがない。特に予備知識なしに臨みます。映画館に戻ると、すでにチケット売り切れとのこと。この映画館は座席指定でなければ、整理番号もない。すでに入場は開始されていたが、幸い私が望む最前列は空いていたので、中央の席は埋まっていたが、そのすぐ隣に陣取る。なんとも知的な雰囲気が漂う客席です。本作はアーレントの全般的な伝記を描くものではなく、1冊の本をめぐっている。アーレントの著作のなかに『イェルサレムのアイヒマン』というものがあることは知っていたが、この著作が書かれた経緯とその後のことが映画では描かれている。1960年代、一人の人間が逮捕され、裁判にかけられた。その男がアイヒマン。ドイツ・ナチスの親衛隊中佐だった。逮捕されたのはアルゼンチンだったようだが、裁判はユダヤ人が移住・集住して設立されたイスラエルで行われた。

戦時中に亡命してニューヨークで大学教員をしていたユダヤ人政治哲学者ハンナ・アーレントはその裁判の傍聴を希望し、『ザ・ニューヨーカー』誌の特班員として現地に赴く。その報告は5回にわたって雑誌に掲載され、のちに単行本となる。それが上記のタイトルで日本語訳もされるのだが、副題が「悪の陳腐さについての報告」とある。私は読んでいないが、映画でもアーレントの主張は分かりやすく説明されており、要はアイヒマンが極悪だからこそ、多くのユダヤ人がドイツ・ナチスの政策によって殺害されたという通説は真実ではなく、アイヒマンという個人はあくまでも平凡な人間だったという。すでに『全体主義の起源』を出版していたアーレントは、アイヒマンの言動や人物観察を通して、全体主義がもたらした悪のあり方をそこに見取ったのだ。全体主義という社会のあり方が成立すると、平凡な人間が大きな組織の命令に従うことで、考えもよらない極悪非道な意思決定が可能になるという、今では比較的理解しやすい考えがそこにはある。

しかし、当時はユダヤ人は絶対的な被害者であったため、それを哲学的論議の素材に用いたアーレントはひどく非難されたとのこと。映画はその時代の雰囲気を非常に丁寧に再現しており、イスラエルの首都としてのイェルサレムは輝かしいばかりで、そこに住むユダヤ人はようやく手に入れた自由を満喫しているように描かれている。しかし、現在ではイスラエルに住むユダヤ人は絶対的被害者ではなく、パレスチナ人に対する加害者としても認識されている。なので、時代が違えば人の考えは大きく異なるということも含め、いろんなことを考えさせられる作品。アーレントの人となりも丁寧に描かれていて素晴らしい映画。あらためて、アーレントを読まなくてはと思う次第。

神保町シアター 『豆大福ものがたり

神保町に行った本当の目的はこちら。モデルで女優の菊池亜希子ちゃんは『マッシュ』というムック本の編集出版でも知られているが、vol.4となる最新作の特集は「バカ」。無類の豆大福好きということで、表紙は豆大福をほおばる写真になっているが、そんななかで生まれたのが今回の企画という。映画監督沖田修一、脚本家の前田司郎、相手役に志賀廣太郎を招いての短編映画。菊池亜希子ちゃんというと『ファの豆腐』という短編を見逃してしまったことを後悔していたので、今回は期待していたのですが、800円にしてもちょっとひどい、お遊び映画でした。こちらも満席でしたが、岩波ホールが年配の方々で埋められていたのに対し、こちらは私が群を抜いて最年長というくらいの若者たち。亜希子ちゃんももう31歳のようですが、若者に人気なんですね。主題歌はキセル。

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コメント

無事、引っ越しという大仕事も終えられたのですね。
おめでとうございます!
お天気の巡り合わせも幸いしてくれ、良かった。
住み心地もすごく快適そうで、私もほっとしています(笑)。
その内、また家族が増えることでしょう。
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さて、映画について。
「ハーメルン」は、2006年に一度だけ参加した『函館港イルミナシオン映画祭』で「美式天然」が上映されお名前を記憶した坪川監督の作品だけに、気になっている1本です。
もし岡山でも公開されたなら、きっと観ます。
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「パッション」は、フリーパスポートで鑑賞。
ちょっと予想とタッチが違い、あまりのれませんでした。
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「ハンナ・アーレント」は、岩波ホールでは大ヒットしているようですね。
岡山では1月の公開。どうするか、まだ決めかねています。
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菊池亜希子ちゃんの「豆大福ものがたり」、ひどかったのですか。
こちらではたぶん公開されないでしょうけど、そんなに悔しく思わなくても良さそうですね。
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フリーパスを使えるのは、明日の9日まで。
最後の2日間、酷使するつもりです(笑)。

投稿: 岡山のTOM | 2013年11月 8日 (金) 04時26分

TOMさん

それにしても,またもやフリーパスポートですか!
私も今年前半はそれを目指して,TOHOシネマズでよく観ていましたが,最近は近所のTOHOシネマズであまり観たい作品が少なく,マイルが伸び悩んでいます。
今は年末で切れてしまう分をどう消費すべきか考えています。

『ハンナ・アーレント』,岡山で上映とは貴重な機会です。
是非,ご覧になることをお勧めします。

投稿: ナルセ | 2013年11月12日 (火) 05時49分

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