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先月からたまった映画評5本

1124日(日)

渋谷ユーロスペース 『女っ気なし

上映時間の間がたった15分でユーロスペースに移動して怪しげなフランス映画を鑑賞。タイトルのインパクトもありますが、予告編を観るなり前売り券を購入した作品。同じキャスト同じ舞台で撮影された短編『遭難者』とともに上映。主人公のシルヴァンを、彼が住む海辺の観光地での来訪者とのかかわりを描く映画。『遭難者』では自転車ツーリング中にパンクに遭い、修理をしている男性のところにシルヴァンが車で通りかかる。シルヴァンは30台独身、小太りで禿げてきている。陽気でお人よしだが、空気が読めない感じの男性。主人公はシルヴァンのおせっかいを迷惑がって一度は追い払うが、ようやく街中までたどり着くとまたシルヴァンと遭遇してしまう。シルヴァンは電車で帰宅するという男性を引きとめ、行きつけのお店で呑み始めるが、終電間際に車で駅まで送る途中に飲酒運転で免許を取り上げられてしまう。仕方がなく自転車の男はその町に泊まることになり、シルヴァンの勧めも断ってホテルを取ったものの、夜中にお腹が減っても営業している店がなく、仕方がなくシルヴァンの家へ。という具合の顛末をわずか10分程度の短編ながら見事にまとめていて、ほんわかした笑いを誘う作品。もちろん、本編の『女っ気なし』も素晴らしく面白い。結末も期待以上の展開で、和みます。要チェックの監督、ギヨーム・ブラック、そしてシルヴァンを演じるヴァンサン・マケーニュ。

1127日(水)

渋谷ヒューマントラストシネマ 『ウォール・フラワー

ヒューマントラストシネマが水曜日にサービスデー1000円ということで、有楽町に引き続き、渋谷でも鑑賞。本作は『少年は残酷な弓を射る』のエズラ・ミラーと、ハリー・ポッターシリーズのエマ・ワトソンが出演しているが、主演はローガン・ラーマンという男の子。エマが高校生役ってのはちょっと無理がありますが、なかなかの青春映画でした。原作者であるスティーヴン・シュボースキー自身が監督をつとめたということで、原作は読んでいませんが文句なしの仕上がり。ストーリー展開が無理なく脚本になっています。いうことなし。

渋谷ユーロスペース 『父の秘密

ユーロスペースで何度も予告編を観ていたが、結局観れないなあと思っていたが、『女っ気なし』を観た時にやはり見逃すわけにはいかないと思い立ってユーロスペースへ。予告編ではダルデンヌ兄弟の作品に似た雰囲気があるメキシコ映画。妻を事故で亡くした夫(=父親)とその娘を描く。夫は妻を亡くした悲しみに耐えられず、思い出の詰まった家を離れ、別の場所で暮し始める。高校生の娘は転校するわけだが、さっそくちょっとした不良集団に声をかけられ仲良くなる。父娘の再生の物語かと思いきや、ここから娘の地獄が始まる。女友達の嫉妬から始まるいじめがどんどんエスカレートしていく。しかし、この映画の不思議さは、ダルデンヌ兄弟作品とは違って、その痛々しい映像がなぜかあまり痛々しく感じないところだ。娘は典型的な被害者という感じではなく、いじめられた後もなんとなくその不良集団のなかにいる。その娘を演じるテッサ・イアという女優は『ある日、欲望の大地で』にも出演していた。吸い込まれるような美しさと度胸のある演技をみせる女優。こちらも将来が楽しみ。

12月4日(水)

吉祥寺バウスシアター 『ジ、エクストリーム、スキヤキ

水曜日がサービスデーということでまた吉祥寺に来てしまう。今回は強硬な二本立てはやめて献血とのセット。選んだ映画はこちら。予告編があまりにも馬鹿馬鹿しくて、観ないだろうとは思っていたが、最近映画女優としていい活躍をしている倉科カナ観たさに観ることにした。作品中では大学の頃の友人関係で15年ぶりに再会する窪塚洋介と井浦 新ということになっているが、この2人は映画『ピンポン』で共演しており、それからも11年ぶり。一応、高校生って役だったが、その2人が中年になって再会する。窪塚の恋人役として倉科カナ、2人の大学時代の友人としてこれまた15年ぶりにいきなり自宅に押しかけて再会を果たすのが市川実日子。こちらも最近は荻上作品ばかりに出ているので、ここのところ敬遠していたが、元々好きな女優さん。まあ、映画自体は予想通りくだらない感じではありましたが、こういう映画はあってもいいのではと素直に思います。

12月8日(日)

府中TOHOシネマズ 『くじけないで

新居祝いで2組の友人たちが夕方から遊びに来る日の朝に一人で府中まで観に行きました。ちょっと前に多摩モノレールに乗っている時に初老の女性2人の会話の中で、1人がいい映画だったと薦めていたので観たいと思った。前にも書いたように、やはり歳を取った俳優さんをメインで起用している作品は応援したくなります。ということで、こちらは八千草薫さん主演。でも、90歳を演じるにはちょっと若いのではないかと思ったり(実際は82歳)。この作品の見所は主人公のダメ息子を演じる武田鉄也。役どころとしてはその妻を演じる伊藤 蘭さんも素晴らしい。難点はちょっと上映時間が長い。その分、詰め込みすぎている感もあり、主人公の幼年時代を芦田愛菜が、大人になって壇れいが、その他にもそれぞれの時代の主要人物をさまざまな人が演じている点は面白くはあるけど、もう少し詩作の部分に集中してもよかったかな。まあ、それぞれの時代の記憶は詩作の伏線ではありますが。

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コメント

「ウォールフラワー」と「ジ、エクストリーム、スキヤキ」は、こちらでは1月の公開。
観に行きます。
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「くじけないで」は、どうもあまり惹き込まれませんでした。
武田鉄矢演じるダメ息子が、ほんとにダメすぎて。
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「女っ気なし」と「父の秘密」は全く知らない映画。
こういうものまで追いかけてると、見逃してしまう作品が何本も出てしまうのも仕方ないでしょうね。(失礼 笑)
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今日は14日。TOHOシネマズのサービスデーなので、本日公開される作品など3本観てくる予定です。

投稿: 岡山のTOM | 2013年12月14日 (土) 04時27分

TOMさん

3本立て,いいですね。
見逃してしまう作品,その通りです。

観る気満々だった『四十九日のレシピ』も見逃しました。
見逃した作品も列挙できないほど...

武田鉄矢のダメ息子,すごかったですね。
彼ではない配役を考えるのも難しい...

投稿: ナルセ | 2013年12月23日 (月) 16時27分

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