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理論地理学ノート

私が博士課程まで所属していた東京都立大学地理学教室(現首都大学東京)の人文地理学研究室が発行していた『理論地理学ノート』という不定期刊の雑誌があります。他大学の地理学教室にも寄贈されているはずですが,広く読まれていないのは事実。私が2001年刊行の12号に論文を掲載していただいた際にも,『人文地理』の「学界展望」には取り上げられなかった。

私の手元には,在籍中にいただいていた7号,9号,10号,12号があるが,今回それ以降の号の在庫分を譲っていただいたので,目次だけでもここで紹介しておきたい。

なお,16,17号については,大学のレポジトリで公開されています。

7号(1990年7月1日発行)

山手線の認知地図再考:若林芳樹

INDSCALによる認知地図の個人差の分析――新潟市を事例として:矢野桂司

多次元尺度構成法(MDS)による認知地図研究の進展――1980年代を中心に:杉浦芳夫

9号(1995年7月25日発行)

エントロピー最大化法による不完全地理行列のデータ推定方法:矢野桂司

2時限回帰分析における統計的推論:中谷友樹

多摩ニュータウンにおける商業地区と消費者の購買行動――”第四の山の手”あるいはノン・カテゴリー・シティの相貌:小堀 昇・杉浦芳夫

10号(1997年12月25日発行)

土地利用と一般チューネンモデル:小長谷一之

「下北沢」という現代の盛り場の創出――若者の街考:三上恭子

モデルからマルクスへ――現代地理学の「再モデル化」に向けての計画に関するノート――デイヴィド・ハーヴェイ(鶴田英一訳)

人文地理学の実践――フォード主義からフレキシブルな蓄積への移行における理論と経済的特性:ハーヴェイ, D.・スコット, A.(鶴田英一訳)

現代資本主義社会におけるマルクス主義地理学の基礎的問題に関するノート――ハーヴェイ(1997),ハーヴェイ・スコット(1997)の解題にかえて:鶴田英一

12号(2001年12月25日発行)

美しが丘の主婦たちは幸せか?――多摩ニュータウン南大沢地区の主婦の生活時間調査から:杉浦芳夫・宮澤 仁

「湘南」イメージを利用した郊外住宅地の創出:天野みどり

この部屋を見て!!――女性一人暮らしのカタログ:成瀬 厚

地理情報科学における「認知論的転回」――NCGIAの研究プロジェクトを中心として:若林芳樹

13号(2003年12月25日発行)

イギリスの地域住宅市場と労働市場格差――地域住宅価格と地域間人口移動の相互関係:磯田 弦

山梨県大泉高原におけるペンション地域の形成と地域社会:大竹 裕

西東京市柳沢住宅にみる旧工場従業者住宅地の変遷と周辺地域への影響:橋本玲未

14号(2004年1月10日発行)

特集「日本の都市地理学と渡辺良雄の中心地研究」

渡辺良雄 都市地理学関係主要著作目録

都市地理学研究の一局面――W. クリスタラーの受容と中心地研究を通しての故渡辺良雄先生の先駆的業績の成立と継承:寺坂昭信

中心地研究への道のり――西日本のフィールドから:森川 洋

盆地研究から中心地研究へ――東北大学を中心とする1960年以前の都市地理学研究の動向:阿部 隆

ある都市地理学の肖像――木内信蔵に焦点をあてて:竹内啓一

1960年代までの京都大学における都市地理学の研究状況:山田 誠

1970年代の名古屋大学における院生の研究動向と渡辺先生の思い出:阿部和俊

渡辺先生の思い出:山本 忠

渡辺良雄と都市研究センター:中林一樹

戦前期の商圏研究――日本における中心地論受容前史として:立岡裕士

外国人地理学者による渡辺良雄の1950年代英語論文の引用について:杉浦芳夫

15号(2006年2月25日発行)

2種の点分布間における空間的適合に関する一考察:石﨑研二

多摩ニュータウンの小・中学校校歌にみる地域性と時代性:藤田直子

ナチ・ドイツにおけるオーバーシュレージエン国境地域における中心地ネットワーク再編計画:杉浦芳夫

16号(2008年12月25日発行)

シチュアシオニスト・シティとしてのパリ――漂流,心理地理学地図,ドキュメンタリー映画:滝波章弘

高崎市中心市街地におけるバブル経済期以降の民間分譲マンション供給と人口推移:古屋泰大

都電をシンボルとした「ジョイフル三ノ輪」商店街の現状と課題:金原慎一郎・杉浦芳夫・原山道子

17号(2013年12月25日発行)

オルネ3000地区とサッカーをめぐって――パリ郊外のシテという領域:滝波章弘

井上 靖の自伝的作品にみる場所感覚――伊豆・湯ケ島の村から北へ:滝波章弘

2000年以降の東京郊外多摩市における民間分譲マンション供給とその居住者:古屋泰大・杉浦芳夫・原山道子

『理論地理学ノート』の発行元は「空間の理論研究会」となっていて,「空間の理論研究会と関わりの深いグレコ会」の活動報告が12号まで巻頭に記されている。私自身もそのグレコ会で初めて修士論文の研究構想を報告している(1994年4月6日)。

今年も日本地理学会春期学術大会の日程にあわせてグレコ会は開催されたが,そこに集まるのは首都大学東京地理学教室に関わりがあった人が中心となっている。ということで,そこで学んだ学生や院生が卒論や修論を掲載することもあったし,杉浦芳夫が中心となる科学研究費の報告を兼ねている場合もある。

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コメント

グレコ会で研究の報告をすることは,自分の目標の一つでした。叶いませんでしたが。

投稿: YK | 2015年5月16日 (土) 20時21分

YKさま

いやいや、まだ今からでも間に合いますよ。

投稿: ナルセ | 2015年5月17日 (日) 19時11分

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