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廃藩置県(講談社選書メチエ)

勝田政治 2000. 『廃藩置県――「明治国家」が生まれた日』講談社,254p.,1600円.

続けて廃藩置県ものですみません。2000年代に入っても本書によれば明治維新史研究のなかで廃藩置県が注目を浴びているとのこと。基本的には本書の構成や内容は,先日紹介した松尾正人氏の中公新書と似通っている。巻頭に日本地図があり,巻末に都道府県の推移の図がある。

まずは目次から。

序章 藩が消えた日

第一章 維新政権が誕生した時

第二章 版籍奉還と藩体制

第三章 中央集権化への道

第四章 一大飛躍としての廃藩置県

第五章 廃藩置県の衝撃

第六章 明治中央集権国家の誕生

終章 岩倉使節団の出発

本書で学んだ一番大きいのは,「藩」というものが明治以前には一度も公式に定められた行政単位ではなかったという指摘。確かに,廃藩置県によって中央集権国家が成立したという時,単に藩が都道府県に置き換わっただけでは大した変化ではない。都道府県という行政単位を全て横並びに政府が管理するというところに意義があるのだ。江戸時代における藩は幕府が管理する統一的な行政単位ではなく,個々で独自に独立した地方行政単位という色彩が強い。となると,廃藩置県の前に府藩県三治体制という時代があるのだが,そこで改めて,「藩」というものが因襲的な性質を継続しながらも統一的な行政単位をにらんだものとして公式なものとして再設定されていることに意義があることになる。

とにかく,こういう歴史ものは複数の著者によるものをいくつも読んで,少しずつ史実が身に付いていくという側面もあるので,同じ著者による角川ソフィア文庫版『廃藩置県』もあるようなので,また期間をあけて読むことにしよう。

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