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1968年の世界史

バディウ, A.他著,藤原書店編集部編 2009. 1968年の世界史』藤原書店,326p.3456円.

非常勤先の「人文地理学」の教科書としてまたウォーラーステイン『ポスト・アメリカ』をひっぱりだしている。なるべく補足しながら話をしオたのが本書だとのこと。アラン・バディウの文章も読んでみたかった。

雑誌の特集号ということで、執筆者は多いが、藤原書店のサイトで目次を公開していたので、ちょっと拝借。

はじめに 

部 世界史のなかの68

68年とフランス現代思想(アラン・バディウ)

パリの68年(西川長夫)

フランスの68年【685月の残光】(西山雄二)

アメリカの68年【リベラルな社会におけるラディカルな知識人】(イマニュエル・ウォーラーステイン)

アメリカの68年【確信から行動へ】(ステファン・ヴラストス)

メキシコの68年【オリンピックとトラテロルコ】(オクタビオ・パス)

メキシコの68年【ピュロスの敗北】(カルロス・フエンテス)

女性から見た68年(古田睦美)

ソ連・東欧圏の68年【改革共産主義の興隆と終焉】(伊東孝之)

中国の68年【世界における造反運動の退潮】(金観濤+劉青峰)

68年革命と朝鮮半島【過去になった未来】(林志弦)

日本の68年【「全共闘」・「美共闘」 の可能性と問題点】(針生一郎)

沖縄の68年【私的視野から】(川満信一)

もう一つの68年【テロと右傾化の原点】(岡田明憲)

アフリカ・68年の死角【カメルーンのもう1人のエルネスト】(谷口 侑)

68年の世界史【67年の中東から見る】(板垣雄三)

部 わたしの68

転回(竹内敏晴)

政治の季節から文化革命へ(青木やよひ)

ゲート前坐りこみ(河野信子)

68年と科学(中山 茂)

不可逆な68年(吉川勇一)

遅れてきた署名者(子安宣邦)

フランスとベトナムと(海老坂武)

ほんとうの私への回帰(黒田杏子)

成り上がり者がつくった時代(西舘好子)

揺れる電気傘と「三億円」(窪島誠一郎)

右も左もない(新元博文)

実存主義の種(鶴田静)

68年の赤い糸(加藤登紀子)

40年、抱えてきた宿題(佐々木愛)

あの冬の記憶(永田和宏)

目覚め、 そして屈折(宮迫千鶴)

ターニングポイント(渡辺 眸)

見てのとおり、非常に多岐にわたっています。1968年といえばもちろんフランスの5月革命なのですが、さまざまな方面、側面からいろんな人が文章を書いています。実は1970年生まれの私は研究を始めて、この時代のことを研究しようと思ったこともあります。1970年の日本といえば、1 968年以降の批判的精神が失われつつあり、大阪万博などで盛り上がり、『anan』や『non-no』の創刊によって一気に消費社会へと突入するわけですが、私は1980年代の雰囲気が嫌なまま10代を過ごしたこともあり、1960年代後半の批判的精神にあこがれていたわけです。

まあ、それはともかく本書を読むと、1968年という世界史におけるターニングポイントはまさにグローバル化の加速化のまっただなかということが分かります。前半は欧米の話が中心ですが、チェ・ゲバラの存在もありますが、続いては中南米、そして「プラハの春」に象徴され 82驍謔、な東欧、文化大革命の中国、そこから朝鮮、日本、沖縄へと展開します。当然、米国や沖縄の話のなかではベトナム戦争が重要です。そこまでは私でもこの時代の重要な出来事として想像できますが、本書で学んだのはアフリカの状況、そして板垣雄三さんが書いている中東の問題。やはり板垣さんの文章はもっと読まなくてはと思う次第。

部は名前の知らない人が多いですが、特に後半は詩人などの芸術家が書いていますが、これまた第部と対照的で面白い。まあ、この読書体験をどう研究や講義に活かすかは難しいところですが、なかなか面白かった。加藤登紀子さんが東大出身でまさに1968年の洗礼を受けているというのは初めて知り,現在のスタイルにつながっているんだなと納得。

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