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認知心理学

箱田裕司・都筑誉史・川畑秀明・萩原 滋 2010. 『認知心理学』有斐閣,521p.,3400円.

今回,学会で発表した内容ではいくつかの日本の心理学研究を参照していた。それらはウェブで入手できるという制限もあったが,けっこう『教育心理学研究』という雑誌に掲載されたものが多く,幼児や児童を対象にしていることから,発達心理学の研究者もいたようだ。しかし,心理学の下位分野はよく分からず,でも学会発表ではその辺を少し単純化してでも分かりやすく表現したいので,なんとなく認知心理学と表現した。

そのことが気になって,一応その名のついた教科書を探してみて,Amazonの評価がよかったものを購入。普段,教科書的なものを好まないので,こんなにページ数のある教科書を通読するのは初めてに近い。とりあえず,目次で気になるのは「カテゴリー化」と「言語理解」。

はしがき

第Ⅰ部 認知心理学の基礎――感性・注意・記憶

 第1章 認知心理学の歴史とテーマ

 第2章 視角認知

 第3章 感性認知

 第4章 注意

 第5章 ワーキングメモリ

 第6章 長期記憶

 第7章 日常認知

 第8章 カテゴリー化

第Ⅱ部 高次の認知心理学

 第9章 知識の表象と構造

 第10章 言語理解

 第11章 問題解決と推論

 第12章 判断と意思決定

 第13章 認知と感情

第Ⅲ部 認知心理学の展開

 第14章 認知進化と脳

 第15章 認知発達

 第16章 社会的認知

 第17章 文化と認知

 第18章 メディア情報と社会認識

評価通り,なかなか読み応えのある教科書でした。知りたかったこともそこそこ知ることができ,それ以上になんとなく心理学全体の見取図が分かったような気がします。

ただ,いくつかの心理学論文を読んでいる時から感じていたのは,本筋の心理学は特に一昔前は実験による実証を行うのが当たり前で,実験結果を数値で示すのが基本のようです。実験を必ず介すというその辺の論理構成がなかなか不慣れで理解を促進しないという側面はありました。また,脳科学との結びつきも強いようで,その辺りも私の研究上の信念からついていけないところもありました。また,やはりというか,欧米の研究の紹介が主で,日本の研究については世界的にみて意義のあるもののみに限定しているようなところがあり(まあ,そうでもしないと文献表が膨大になりすぎるのでしょう),私のようになるべく日本語で読みたい,あるいはこれまで読んだ文献を位置づけたいという希望には応えてくれませんでした。

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