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ニーチェと哲学

ジル・ドゥルーズ著,足立和浩訳 1982. 『ニーチェと哲学』358p.,3500円.

私はデリダをそれなりに読んでいるが,ドゥルーズは初めて。朝日出版社のエピステーメー叢書に収録された『ヒュームあるいは人間的自然』も持っているが,まだ読んでいない。最近の地理学においては(人文・社会科学全般でか)デリダよりもドゥルーズの方がよく参照されるために読んでおくべきかとは思うが,なんとなく引かれない。とはいえということで,随分以前に古書店で安かったので(1,500円)購入しておいた次第。最近は通勤中に読む本が蔵書からどんどんなくなっているので,未読書の一冊として読んだ。読んでいない蔵書には分厚い本もいくつかあるが,通勤電車で立って読むのはかなりきつい。

まずはいつもどおり目次。

第一章 悲劇的なもの

第二章 能動と反応

第三章 批判

第四章 怨根からやましい良心へ

第五章 超人。弁証法との対立

訳者の解説によれば,ドゥルーズは独自の議論を展開する哲学者として知られるが,本書が出版された1962年頃は哲学的古典を詳細に検討する堅実な研究が多いという。確かに,上で挙げた『ヒュームあるいは人間的自然』も1953年の出版だ。

ということで,本書はニーチェを取り上げて,その哲学的異議を検討するという内容。では,私がニーチェを読んでいるかというと,『善悪の悲願』を非常に面白く読んだのだが,続いて『道徳の系譜学』を読み始めたらまったく意味不明で投げ出し,それ以来手を付けていないという状態。

ニーチェをそれなりに読み込んでいる人でないと目次を見てもよく分からないだろうし,まあ,本文の理解も十分なものにはならないのでしょうね。正直いって私にはあまり理解できない本でした。それでも,ニーチェの有名な「力への意思」についてはかなり詳しく解説されていて,訳者の思い入れも含めてそれなりに知ることは多かった。それから,訳書では「能動と反動」という章にもなっていますが,能動=action,反動=reactionという二項対立はなかなか新鮮でした。

ドゥルーズ哲学にとってのニーチェの哲学とは,というような箇所の引用で終わりにしましょう。「多,生成,偶然が肯定の対象だということ。これがニーチェ哲学の意味である」(p.280)。

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