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風景の現象学

内田芳明 1985. 『風景の現象学――ヨーロッパの旅から』中央公論社,210p.,520円.

これも風景に関する基本文献の1冊。中公新書です。著者の風景論については地理学者の立岡裕士氏が批判論文を書いていて,その論文は随分前のものだが,この著者の名前はしっかりと記憶されていて,この人の風景論は読むに値しないと思っていたが,とりあえず読んでみた。

Ⅰ ギリシア古代文化への旅

Ⅱ パルテノン神殿美の創造

Ⅲ 北ヨーロッパとシチリアの風景

Ⅳ ゴシック建築とアルプスの風景

終章 風景の現象学と歴史の現象学

立岡氏の批判は詳しく覚えていないが,ちょっと読んでみて納得。まあ,本書の冒頭にも書いてあるように,これは旅行記です。まあ,副題にもそれをにおわせてはいますが,でも「風景の現象学」というタイトルは詐欺に近い。

といってもそもそもの現象学の捉え方は1つではないので,この点で著者を責めることはできない。本書は和辻哲郎『風土』からの影響が大きいらしい。なお,著者はマックス・ヴェーバーの研究者だということで,ヴェーバーの『古代ユダヤ教』のような著書に込められた意味を,著者自身の旅によって実感したということのようだ。

旅と行っても,その土地に現在生きる人々との触れ合いを楽しむような旅ではなく,そこに残された遺物が醸し出す風景を観て,在りし日々を妄想するといった旅。ともかく,私には学問的にも感性的にも共感を得られない本でした。

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