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年末にまとめて映画を観ました

2016年11月26日

新宿ピカデリー 『湯を沸かすほどの熱い愛

前評判もとてもよく、宮沢りえの演技もしっかり観ておきたかったので、公開からかなり経っていましたが観に行きました。とてもいい映画だと思いますが、ちょっと私的にはイマイチと思ってしまいました。間違いなく良かったのは杉咲 花の演技。度胸がある演技で今後も楽しみです。セリフで「?」と思ったのは、ヒッチハイカー役で登場する松坂桃李との会話。北海道からヒッチハイクで日本縦断をしているという彼の言葉を宮沢りえ演じる主人公が嘘だと暴くシーンだが、「北海道出身にしては訛りがない」というセリフがある。北海道には訛りがあるのだろうか?まあ、アイヌ訛りというのはあるかもしれないが、北海道民の中でアイヌはどう考えてもかなりの少数派だ。多くの北海道民は日本全国からの移民であり、まあ集住移民ということで、元の地方の訛りが北海道で変化したことはあるかもしれないが、私の知る限りの北海道出身の人に訛りはない。

本作は、誰に対しても熱い愛を注ぐことで、どうしても愛されてしまう主人公を描いているはずなのだが、本当に主人公はそんなに愛されるべき存在なのだろうかということを素直に信じられない私がいる。入院してからも特に何が起こるわけでもなく、普通に死んでしまうのも、インパクトは少ない。もうちょっと衝撃的なストーリー展開を期待してしまった私なのだが、映画で描かれるのはいたって普通な一女性の死だったような気がしてしまった。

確かに、自分の実子ではない子どもを育て、さらにもう一人引き取ろうというのはそう簡単にできることではない。また、ある意味では本作がわざとらしいドラマティックな展開ではなく、あくまでもリアルに日常を描いたものともいえるかもしれない。

2016年12月28日

新宿角川シネマ 『手紙は憶えている

私の好きなカナダの映画監督アトム・エゴヤンの作品。今回はこの作品の存在をラジオで知りました。最近は家でラジオを流していることが多いのですが、ふとした時に佐藤江梨子の映画紹介のコーナーがやっていて、本作を紹介していたのです。さすが、佐藤江梨子。

主演はクリストファー・プラマーで、認知症を患った老人が戦時中の復習を死ぬ前に果たすという内容。いわゆる「衝撃のラスト」的な展開ですが、予告編でその展開は想像できてしまうところがいいのか悪いのか?まあ、結末がわかった上でのストーリー展開を楽しめるという余裕がエゴヤン的だといえるかもしれません。観客を焦らすいわゆる「サスペンス」ものではありません。ナチスとユダヤ人ものってのは結構多いと思いますが、そういう意味ではとても面白い内容です。

現在では、テロの加害者であり被害者であるというムスリムが、難民を装って入国しテロ行為を起こすというのが世界的な問題となっていますが、戦後世界中で裁かれることになるナチスの将校たちが、ナチスに迫害され、家族を失って身分も証明できないユダヤ人を装って世界中に逃れていたという史実があるかどうかはわかりませんが、いかにもありそうな話です。

新宿武蔵野館 『風に濡れた女

耐震工事のため、休館していた武蔵野館がリニューアルオープンしました。やはり3スクリーン体制まで変更したわけではなく、座席の配置が変更されたところまでにとどまっていました。この映画は日活のロマンポルノを著名監督によって復活させようというプロジェクト。本作は塩田明彦監督によるもの。塩田監督は宮崎あおい主演の『害虫』の監督だということ。懐かしい。

さて、本作は永岡 佑演じる男が、演劇人生を捨て、人里離れた山の奥で自活している。そんな中に間宮夕貴演じる謎の美女がやってきて、彼の生活をかき乱すというハチャメチャな設定で、エロティックにコミカルに描いています。まあ、基本的にこういうしょうもない映画は好きなのですが、やはりロマンポルノということで、エッチシーンが非常に多いのは久しぶりなので、意外に疲れます。

でも、こういう企画は大歓迎。

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コメント

『湯を沸かすほどの熱い愛』
イマイチでしたか。感じ方は人それぞれなので仕方ありません。とにかく杉咲花ちゃんは良かったですよね。
12日(土)には【さぬき映画祭】で本作が上映され監督がゲストで来場されるので、お向かいの香川県に行って来る予定です。久しぶりに中野監督とお話ししたいなぁ。
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『手紙は憶えている』
岡山でも公開されたのですが、私にとってはちょっとだけ不便な場所にある映画館だったので、スルーしてしまいました。DVDで観ます。
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『風に濡れた女』
復活ロマンポルノの5作は、岡山ではミニシアターで今月から次々に上映予定。
夜に弱い私は、レイトのみの上映なら行けないなと心配していたのですが、幸い今月公開の本作と「ジムノペディに乱れる」は夕方から始まるので足を運べそうです。

投稿: 岡山のTOM | 2017年2月10日 (金) 01時32分

TOMさん

『湯を沸かすほどの熱い愛』にはだいぶ入れ込んでいるようですね。
映画賞で、いろんな賞を受賞しているようですから、評判は良いようですね。

私の評価は、残念ながらそういうのとは異なっているので、気にしないでください。

投稿: ナルセ | 2017年2月15日 (水) 04時56分

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