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ケプラーと世界の調和

渡辺正雄編 1991. 『ケプラーと世界の調和』共立出版,272p.,2750円.

本書は日野市立図書館の「リサイクル本」として出ていたものをいただいたもの。大学図書館ではそういうのはなかった気がしますが、公共図書館は(特に施設の老朽化が著しい日野市の場合)所蔵容量に限界があるため、新しい図書を購入すると一定数の図書を放出するようですね。

ということで、それほど期待していなかった本ですが、結構楽しく読めました。まあ、そもそも科学史にはそれなりの興味を持っています。しかし、ガリレオやニュートン、ライプニッツといった人に関しては、原著の翻訳も多いし、研究書も多いですが、ケプラーはそれほど日本語では読めないような気がします。

私自身はたまたま古書店で見つけて「博物学」の特集ということで購入していた『知の考古学』という雑誌の中に、ケプラーによる雪の六角形の結晶についての論文を読んでいましたが、なんとその訳者が本書にも寄稿している榎本さんでした。

休みなき60年――ケプラーの生涯とその時代(E・J・エイトン)

異端か正統か――ケプラーと神学(E・J・エイトン)

宇宙の完全性を求めて――ケプラーのコスモロジー(J・V・フィールド)

惑星運動の秘密をさぐる――ケプラーの天文学(E・J・エイトン)

理性で聴く惑星の音楽(小川 劯)

占星術への寄与と批判(J・V・フィールド)

多面体の幾何学から対数まで――ケプラーの数学(J・V・フィールド)

光と視覚および望遠鏡――ケプラー光学の展開(田中一郎)

雪と花のかたち――ケプラーの雪月花(Ⅰ)(榎本恵美子)

月のすがた――ケプラーの雪月花(Ⅱ)(渡辺正雄)

中国と日本におけるケプラー(橋本啓造)

目次に示したように、本書にはヨーロッパの著名なケプラー研究者2人の文章がいくつか翻訳されています。エイトンという人については、本書の編者の渡辺さんが翻訳した『円から楕円へ』という本が出版されているとのこと。また、ケプラー自身の本も河出書房新社の『世界大思想全集』に訳出されているものと、『ケプラーの夢』と『宇宙の神秘』、『世界の和声学』なる本が翻訳され、また、ケストラートいう人の『ヨハネス・ケプラー』という伝記の翻訳もあるらしいです。

私はライプニッツについてもそれほど多くを知りませんが、本書を読みながらライプニッツと混同するほどケプラー自身も天文学研究に限定されることなく、非常にスケールの大きい自然研究を通じて、宇宙の創造主である神へのたゆまなき探求を続けたということを知ることができました。

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