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近代フランスの歴史

谷川 稔・渡辺和行編 2006. 『近代フランスの歴史――国民国家形成の彼方に』ミネルヴァ書房,366p.,3200円.

先日、宮島 喬さんの本を紹介したが、同じ講義の昨年度の同じ時期に購入したのが本書。エスニシティの話をするのにやはりEUの話をしなくてはならないと思ったが、ヨーロッパ全体となると範囲が広すぎるので、一つに国に絞ろうと思った結果思いついたのがフランス。しかし、本書を購入したものの、冬休みに読もうと思っていたものの、結局読めずじまいで、1年後に読むことになった。

本書は1993年に出版された服部春彦・谷川 稔編『フランス近代史』の全面改訂新版ということのようだ。

序章 「近代フランスの歴史」が投げかけるもの(谷川 稔)

第Ⅰ部 国民国家の成立と展開

第一章 〈アンシアン・レジーム〉のフランスとヨーロッパ(高澤紀恵)

第二章 フランス革命とナポレオン帝政(谷川 稔/上垣 豊)

第三章 カトリック王政からブルジョワ王政へ(上垣 豊)

第四章 社会共和国の夢から産業帝政へ(谷川 稔)

第五章 対独敗戦から急進共和国へ(長井伸仁)

第六章 ふたつの世界大戦とフランス社会(渡辺和行)

第七章 第二次世界大戦後の政治と社会(中山洋平)

第Ⅱ部 もうひとつの近代フランス

第八章 女・男・子どもの関係史(長谷川まゆ帆)

第九章 植民地帝国フランス(平野千菓子)

第十章 移民と外国人のフランス(渡辺和行)

第十一章 フランス「国民経済」の発展と変容(中島俊克)

終章 二一世紀のフランス(渡辺和行)

以前にイスラーム史の概説書も紹介したが、こちらも各章を異なる著者が分担してはいるが、一冊読むとフランスの通史がわかるという意味では非常に堅い教科書的な本であり、読み終えるまでに時間がかかった。

もちろん、こういう本は一読して全て頭に入るわけではなく、必要に応じてまた読み返すといった辞書的な意味もあるのだと思うが、得るところは大きかった。読み終えてからだいぶ時間が経ってしまって、具体的なことはあまり書けないが。

近代期のフランスの話は文化史的な研究書で結構触れてきたつもりだが、政治史となるとなかなかすっと頭に入ってこない。そもそも、フランス革命という世界史的に大きな歴史の舞台となったフランスなのにすぐに王政復古だの、ナポレオン帝政だのがやってきて、本当にフランス革命が民主革命なのかと思ってしまう。まあ、ただ単にブルジョワ革命だということかもしれないが。ともかく、複雑すぎて簡単には理解できない。イギリスとの関係、ドイツとの関係、二度の世界大戦におけるフランスの立ち位置ということに関しても、本書でその複雑さを知るたびに余計スッキリとは理解できなくなってくる。

アブー=ルゴド『ヨーロッパ派遣以前』を読んでから、ヨーロッパの歴史だけ学んでもしょうがないと思う一方で、こういう本を読むと、ヨーロッパだけでもなかなか十分な理解にたどり着けない、と思ってしまう。もう私も50歳を間近にして、こんなことでよいのだろうかと思ってしまう次第。

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