« 日本地名学を学ぶ人のために | トップページ | アメリゴ・ヴェスプッチ(中公新書) »

地名の語源

鏡味完二・鏡味明克 1977. 『地名の語源』角川書店,390p.1300円.

 

とりあえず,手当たり次第な感じで,入手しやすい地名関係の図書を購入しています。この手の本は1970年代後半から1980年代前半に集中しています。ちなみに本書は「角川小辞典」の一冊ということになっています。角川書店は『日本地名大辞典』の出版も行っている。

なお,こういうことは実際に手に取ってみないとわからないことですが,鏡味完二は1964年に角川新書から『日本の地名――付・日本地名小辞典』を出している。本書は鏡味完二の死後,息子であると思われる鏡味明克がここでは付録であった「日本地名小辞典」を採録し,本文からもいくつか流用しながら版を改めた感じで出版されたのが本書。もちろん『日本の地名』も手元にあるのだが,中身はかなりダブっているようです。


Ⅰ どのように研究したらよいか
Ⅱ 地名にはどんなタイプがあるか
Ⅲ 地名の発生年代は決められるか
Ⅳ 郷土の地名の調べ方
Ⅴ 地名の語源の調べ方
地名の語源
地名の読み方
旧国名地図
囲み記事

ということで,本書の本文は72ページまでで,「地名の語源」が約100ページ分。こちらは具体的な地名ということではなく,地名によく使われる語句の解説です。鏡味完二は地理学で地名研究を展開した一人で,地名の分布を武器にしていました(詳しくはこれから勉強しなくてはいけませんが)。つまり,鏡味完二にとって地名は唯一無二の固有名詞というよりは,ある一定の範囲に限定されて分布するもので,そこからその地名を理解する鍵を見出すという方法を確立した人物です。なので,地名辞典がこういう形になるんですね。

ちなみに,個人的には「Ⅳ 郷土の地名の調べ方」は難しかった。基本的にはある地名の語源を調べるということは郷土史の一環であり,その地名にまつわる大小さまざまな地名に関する情報を収集するところから始まり,その地図を作成するという手順なのだが,その具体例が分かりにくい。

ちなみに,全390ページ中,本文は72ページで,辞書部分も前に紹介した山中襄太『地名語源辞典』のように,読み物のような辞書ではないのでなんとなく消化不良な1冊。

|

« 日本地名学を学ぶ人のために | トップページ | アメリゴ・ヴェスプッチ(中公新書) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218863/65375915

この記事へのトラックバック一覧です: 地名の語源:

« 日本地名学を学ぶ人のために | トップページ | アメリゴ・ヴェスプッチ(中公新書) »