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2017年の鑑賞映画は20本でした

2017914(木)

随分前の日記になります。この日は念願だった夫婦でそろって休みを取って2での行動。昨年度までは妻の職場の保育室に娘を預けていたため,娘を預けて妻が休むということが不可能だった。今年度から,娘は認可保育園に通い,息子は小学校+学童クラブなので,2人での行動が可能になった。それが年度始まって半年でようやく実現したということです。

テアトル新宿 『幼な子われらに生まれ
なんだかんだでこれまで観てこなかった三島有紀子監督作品。浅野忠信は好きではないが,田中麗奈は好きで,この夫婦は観ておきたいと思った。なによりも,子どもを実際に持った身として今観るべき作品なのかもしれない。私たち夫婦にも色々あって,順風満帆とはいえない状況。私は本作を冷静に観たが,妻はそうではなかったようだ。久しぶりに夫婦そろって観る映画だが,それにふさわしい作品とはいえなかった。家族といえど,本当の意味で分かりあうことはない,それは血のつながりがあろうがなかろうが同じことだと思う。それを理解した上で努力するか,理解せずにやみくもに努力するかでは大きく違う。かといって,理解した上で努力を放棄してしまうというのも。重松 清の作品を読んだことはないが,本作の原作はちょっと読んでみたい気もする。

2017111

この日は明治学院大学が学園祭で休講になったため,午後から新宿で映画を観ることにした。ちょうど映画サービスデーだ。

テアトル新宿 『月と雷
なんとなく予告編に惹かれて観ようと思っていた作品。角田光代原作の大友良英の音楽という魅力もある。初音映莉子という女優が主演なのだが,高良健吾とのベッドシーンもある。この女優さん,『ノルウェイの森』にも出演していたというが記憶にない。ネットで調べてみると幼き頃の顔にはかすかに見覚えがある。いわゆる美少女が170cmという長身に育ってしまったため,少しきつい顔立ちに成長している。それが本作に不思議な魅力を与えています。こういう空気感の映画はとても好きです。

2017127

この日は息子が通う小学校の保護者会があり,会社はお休み。午前中に映画を観て,小学校に向かう。

新宿シネマカリテ 『婚約者の友人
モノクロの予告編を観て,それがフランソワ・オゾン監督作品だと知って驚く。久しぶりに期待できるかもしれない。特にそれ以上の知識を得ずに臨んだが,なんとドイツが舞台の映画。第一次大戦後のドイツ。婚約者をフランス戦で亡くした女性がそのお墓参りである男性をみかける。その男性は婚約者の友人だという。主人公の女性はその婚約者の家族と同居しているのだが,徐々にその男性と家族とは距離を縮めていく。結末はある程度予測できるものだが,その展開の描き方はさすがオゾン監督という感じ。かといって,これまでの彼のどの作品に似ているというわけでもない。

2017年12月?日

シアタス調布 『映画かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ
この日は子ども2人を連れて映画館へ。息子はかなり早い時期から何度も映画館へ足を運んでいたが,娘は3歳にしてまだ2度目。1度目は母親とアンパンマンの映画を観たようだが,落ち着いて観ていられなかったとのこと。今回はHuluでテレビアニメ版の『かいけつゾロリ』をよく子ども2人で観ていることもあり,本人も観る気満々で出かけた。さらに私にとっては,調布に新しくオープンした映画館というのが楽しみ。
息子はテレビアニメを観る前に,単行本のゾロリをよく読んでいる。自宅にも知人から譲り受けたのも含めて10冊ほどある。最近30周年を迎え,単行本の巻数は30を超えた。私は全く知らなかったが,世代を超えたロングセラー作品だ。ただ,単行本とテレビアニメを見る限り,内容には若干の相違がある。しかも,テレビアニメには雑誌連載中の原作もあるというから,基本的に読みきりの単行本とは異なるのかもしれない。
今回の映画版は,こうしたシリーズものによくあるエピソード1的な内容。展開的には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を思い起こさせますが,自分の両親の出会いに立ち会ってしまうというもの。まあ,大人にも十分楽しめる内容でした。娘は途中で少し飽きてしまったようですが,それでも私の膝の上でおとなしくしていました。やはりオープニングの曲がテレビアニメと違うというのはつかみが悪かったかもしれません。

2017年12月23日(土)

TOHOシネマズ日比谷シャンテ 『否定と肯定
わが家は朝にNHKラジオを聴いている。土曜日か日曜日かに,緒川たまきさんが映画紹介をするコーナーがあり,毎回きちんと聴いているわけではないが,たまたま聴けることを楽しみにしている。この作品は知っていたが,このラジオで紹介されたということと,授業でパレスチナ問題の話をしているということもあり,学生に紹介したこともあり,自分でも観ることにした。主演のレイチェル・ワイズも結構好きだし。
ホロコーストものの映画もかなりネタが尽きていると思うが,本作は舞台を現代にし,1990年代に行われた歴史家同士の裁判を取り上げている。ホロコースト研究者のユダヤ人女性歴史家のリップシュタットと,ホロコースト否定論者のアーヴィングがその当事者。こうした歴史的事実に関しては,日本でも従軍慰安婦の問題など,学問的には解決がついているように思われても,政治的な立場がそれを認めないような事柄がいくつもある。当然,ホロコーストに関してはその最たるものだ。私も以前読書日記で紹介したように,フリードランダー編『アウシュヴィッツと表象の限界』という本を読んでいた。そこで取り上げられた論争は1980年代のドイツで起こったものだが,この映画で取り上げられた事実については知らなかった。しかし,映画を観る限り,その争いはかなり低次元で,単にこの女性歴史家に降りかかった災難としか思えない。
ところで,日比谷シャンテの隣に建設中のビルは,TOHOシネマズ日比谷になるとのこと。どうやら日比谷シャンテは幕を閉じるようだ。

2017年12月28日(木)

私の通う会社はこの日と1月5日(金)とを「計画休暇」とし,年末年始は12連休となった。せかっくなので,子どもたちは保育園と学童クラブに預け,2017年のしめくくりにもう一本映画を観させていただくことにした。

有楽町スバル座 『花筐
選んだのは大林信彦監督作品。最近の作品ですらきちんと観られてはいないが,独自の境地に入った大林作品を心に刻んでおくのは大切だと思う。本作は出演俳優にもその意気込みが感じられる。特に主演の窪塚俊介だが,くどい演技が素晴らしい。近年の映画的リアリズムは概して自然さを追い求めがちだが,大林作品にはそんなものはない。映画は作り物であるということに徹した独自の世界観が創造されている。上映時間の長さを十分に感じさせる体力を使う鑑賞だった。

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コメント

『幼な子われらに生まれ』は湯布院映画祭のクロージングで上映された作品。かなり惹き込まれました。子役も含め役者の演技が皆、素晴らしかったです。残念ながら俳優ゲストはなしでしたが、三島監督が来場してくれ、パーティーでお話ししました。
既に幾つかの映画賞に輝いていますが、これから発表される賞でも、一つや二つ受賞するかもしれません。
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『月と雷』は草刈民代の演技も評判になっており、観たい1本なのですが、こちらでは上映がなくて・・・・。
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『婚約者の友人』は、迷った末、スルーしました。DVD化されたなら、観ます。
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『否定と肯定』はちょうど今、公開されています。これも迷っており、たぶん10日ぐらいに発表されるキネマ旬報ベストテンでもしテンに入っていたなら観に行こうかなと考えています。
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『花筐』は時期未定ながらこちらのミニシアターでも上映予定。大林監督は癌と共存するような感じでこんな力作を撮り上げるのですから凄い!
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ところで、2017年の私の鑑賞本数は131本でした(新作のみの本数)。何年も150本以上を続けてきたのですが、かなり減ってしまい・・・。2018年は150本台に復帰したいものです。

投稿: 岡山のTOM | 2018年1月 8日 (月) 14時25分

TOMさん

書き込みありがとうございます。
『幼な子』は湯布院で観られたんですね。さらに雰囲気あってよさそう。

TOMさんも鑑賞本数が減ったのですね。
何が原因だったのでしょう。それにしても,大林監督の生命力,すごいですね。

投稿: ナルセ | 2018年1月 8日 (月) 15時24分

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