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追悼,樹木希林

201894日(火)

調布シアタス 『寝ても覚めても
原作の柴崎友香は『きょうのできごと』の原作者でもあるが,大学で地理学を学んでいて,大阪を中心とした地理的想像力にあふれる作品を有する作家。それだけでなく,斬新な視点を持つ作家として注目しているので,その実写版を楽しみにしていた。監督の濱口竜介は,名前も知らず,作品を初めて観るが,かなり注目されているらしい(この作品の公開後,『ユリイカ』で特集されていた)。しかし,私が何よりも心惹かれてしまったのは,主演女優の唐田えりかだ。相手役の東出昌大も含め,けっして演技で魅せるような俳優ではないのだが,スクリーンでのそのたたずまいになんともキュンとしてしまった。それが演技なのかどうなのかわからないが,その不器用そうで恥じらいのある演技が,真面目だが移ろ気で,普段は煮え切らないが時に強い決断力を持つ,そんな人間像に見事にマッチしていたと思う。相手役が東出さんであることもあって,身長は小さな印象を与えたが,大きく両手を何度も振るシーンでは,体の割にその長い腕に驚かされた。
映画としてはどうなのだろう。すっきりとスタイリッシュとはとても呼べない。淡々としているというのはいい評価の時に使うが,ダラダラしているともいえなくはない。原作に基づくストーリーも,現実離れしたラブストーリーともいえなくはなく,そういう意味では私の期待する柴崎作品(原作は読んでいませんが)とは異なっている。しかし,川辺を主人公2人が追いかけて走っていくシーンは,近年の映画のなかでは群を抜いて美しかった(そもそも,私は映画を画面の美しさではあまり評価しない)。久しぶりにスクリーンで観る山下リオちゃんも嬉しかった。もう26歳なんですね。すっかり大人の女性でした。濱口監督と,唐田えりか,これから注目しよう。

 

20181017日(水)

調布シアタス 『日日是好日
黒木 華と多部未華子の共演ということで,予告編で知ってすぐに観たいと思った作品。公開を心待ちにしている時に,樹木希林の訃報が届いた。意外にあっけなく亡くなるものですね。それにしても死の直前まで仕事に全うした姿はさすがとしかいいようがない。そんなこともあり,平日の回で,かなり大きなスクリーンだったが,観客席は年配の方々でかなり埋まっていた。監督は大森立嗣。
主人公は1973年生まれの設定となっていて,そんなには意識をしていないと思うが,懐かしさを感じる。まさになんてことのない物語。主人公は茶道で突出した才能を発揮するわけでもなく,樹木希林演じる茶道の先生も非の打ちどころのない人物なわけでもなければ,主人公とお茶以外の特別な結びつきが演出されるわけでもない。主人公と一緒にお茶に通っている多部未華子演じるいとこも,就職はするが3年で辞め,地元に帰って見合い結婚というありふれた人生。誰もが特別にすごいわけでもなく,特別な偶然が起きるわけでもなく,それでいて「何もない日常が素晴らしい」的な主張を強調するわけでもない。
一つ驚いたのは,華ちゃんと未華子ちゃんが並ぶと,華ちゃんの方が身長が大きいということ。この二人のバランスが面白かった。そういえば,黒木 華は『シャニダールの花』で,多部未華子は『ピース オブ ケイク』でともに綾野 剛と共演している。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

楽しいのか。幸せやな

投稿: | 2018年11月 2日 (金) 22時49分

人生楽しめないのか,不幸やな

投稿: ナルセ | 2018年11月 5日 (月) 05時35分

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