ドラえもん・サバイバル!・おしりたんてい
2020年8月6日(木)
立川キノシネマ 『グレース・オブ・ゴッド』
コロナ騒動になる前は,一人の時間を作って映画を観に行くときは,まず吉祥寺のアップリンクをチェックしていたが,さらに私の行動範囲は縮まり,最近は立川が多くなった。しかも,シネマシティよりもキノシネマを利用するようになってきた。いくつか候補作品はあったが,フランスの監督フランソワ・オゾンの最新作を選んだ。
オゾン監督がゲイであることはよく知られている。また,教会の聖職者が幼い男児に手を出すというありがちな主題だが,事実を基にした映画ということで,この主題を今のオゾン監督が同映像化するのか,興味を持った。前半の中心人物を演じるのはメルヴィル・プボー。彼の作品はけっこう観ているが,最近スクリーン上で見ていなかったので40歳台で子どもを持つ父親役を演じる彼の姿は非常に平凡に見えた。本作の面白さは,中心人物が変わっていくところだ。教会で起こりがちな児童への性的虐待,そのものを訴えていくことにはならず,本作においては結局,特定の一人の人物の罪を追及するということだが,プボー演じる男が,遠い過去の記憶を掘り起こす。かつて自分に性的虐待をしていた神父が今も健在であるという事実を知り,行動を起こす。なかなか周囲はその件を認めようとしないが,さまざまな事実を集め,警察に告発する。そこまでで一旦彼の役割は終わる。しかし,その後の警察の捜査で幾人もの被害者がやはり遠い過去の記憶を呼び起こす過程で少しずつ運動が広がり,またプボー演じる男にまでたどり着く。
そういう,時間が経過するなかで,一つ一つの過去が,現在の人間の関係へとつながっていき,古い社会の体制を変えていくというダイナミクスを目の当たりにすることのできる素晴らしい作品。
https://graceofgod-movie.com
2020年8月11日(火)
府中TOHOシネマズ 『のび太の新恐竜』
コロナ騒動で公開日が延期する前に前売り券を購入していた。いつかいつかと待ち続けて,ようやくですね。土日は混み合うことが予想されたので,息子の夏休み期間だったので,私と娘の保育園を休みにして観てきました。映画館も一席ずつ空けているので,家族で行くときは不便。ポップコーンは一人前でも親子三人でちょうどよいのに,一席ずつ離れたら難しいです。ジュースもいつもはケチって子ども2人で1つなのですが,1人1つにし,ポップコーンは持参したビニール袋に分ける。
さて,今回も川村元気さんの脚本だったので,あまり期待はしていませんが,恐竜者というドラえもん映画の原点に立ち返るテーマなので,一方では期待したりして。ということで,今回はかなり良かったと思います。いわゆる敵だと思われた存在がすぐにそうではないと分かり,人間同士で争うシーンがなかったのがよかったのかもしれません。しかも,大胆な進化の仮設(学問的にはありえないが)がオチだったりして,むやみにドラえもんの道具に頼っていない所もいいですね。
https://doraeiga.com/2020/index_pc.html
2020年8月20(木)
渋谷東映 『人体のサバイバル!/がんばれいわ!!ロボコン』
息子の小学校は夏休みを16日に短縮しているので,なるべく一緒にいられる時間を作りたいと思った。この日は夕方から研究者のZoom会合があったので,午前中は息子と出かける。博物館などいろいろ提案したが,好きで読んでいるサバイバルシリーズの映画がやっていたので,渋谷まで出かけた。
こちらも数日後に観ることになる『東映まんがまつり』と同様,短編集。タイトルにあるように,ロボコンが1本目,2本目は「スプリンパン」という娘が喜びそうな乙女チックなCGアニメでとても短い。ロボコンはもちろんオリジナルは私の世代ですが,どんな内容だったかは全く覚えていない。よって,今回のがオリジナルに似ているのかいないのか,まったく分かりませんが,とにかくハチャメチャくだらない。幼い子どもはこういうので喜ぶのだろうか。
とりあえず,他の2作品に対して,「人体のサバイバル!」に割かれた時間が長かったのはよかった。とはいえ,原作を読んでいた息子によればかなり詳細な部分がカットされているとのこと。また,原作とは違う展開もいくつかあったという。小さくなって人の体のなかで旅をするという展開はかいけつゾロリでもあったが,こちらではなんと脳の中まで行ってしまうところがすごい。なかなか楽しめる作品でした。
https://survival-robocon.jp/
映画の後は昼食がてら,息子を連れて渋谷の街を少し散策。まずは渋谷東映からほど近いところにオープンしたばかりの宮下公園。私が渋谷に来るようになった30年前。そのころから渋谷東映はあったはずだが(ビルに入っていたのがビックカメラだったかどうかは覚えていない),まだタワーレコードもなく,この方面に足を延ばすことは少なかった。ただ,宮下公園の近くに大盛堂書店があり,当時としては珍しく,複数階に及ぶ書店で, 2万5千分の1地形図を揃えていることもあり,大学生の頃にはよく利用していた。その手前に山手線の線路をくぐる小さなトンネルがあり,そこを抜けると宮下公園だったが,当時からホームレスが住んでいて,近寄りがたい雰囲気があった(実際にその先の公園に足を踏み入れたことはなかった)。それからずいぶん経って,タワーレコード(私がかつて利用していた頃のタワーレコードは東急ハンズの近くにあったが)ができ,その先を右折して山手線をくぐった先にはcocotiというビルができ,その上階にシネアミューズという映画館(現在はヒューマントラストシネマ)ができ,またさらに青山通りまで行くとイメージフォーラムがあり,よく通うようになった。ということで,明治通り側からは宮下公園の近くを頻繁に通るようになり,時には歩道橋から公園に足を踏み入れることもあった。こちら側は開放的なので,近寄りがたい雰囲気はなかった(時代も少し経過していますが)。大学院生になって本格的に社会科学に首を突っ込むようになり,それ以前は多少敬遠していた現実社会の社会問題や政治的な側面にも関心を持つようになり,宮下公園で起こっている問題も知るようになった。先ほど書いたタワーレコードの先の山手線をくぐる道の北側が先にフットサルコートになったようだ(なお,この場所は公園だった認識はない)。
長くなってきたので,宮下公園の歴史は割愛します。とにかく,最近はこの新しくオープンした商業施設をめぐって,twitter上でいろんな情報を目にしていたので,行ってみたかった場所。なお,私がtwitterでフォローしているのは「反五輪の会」だが,宮下公園の動向についてリツイートしている。それによれば,この商業施設は屋上を今まで通りの渋谷区立宮下公園と称している。しかし,オープン当時は入り口に警備員を常駐させ,いかがわしい人を立ち入れないようにしていたという。「いかがわしい人」とはひどい表現だが,つまりホームレスの人々やかれらを支援する社会運動家,そういう人たちのことだ。そもそも,ここ宮下公園は渋谷をデモ行進して代々木公園に集まり,さまざまな政治集会を行っている人々の集結する場所となっていたという。
私たちが行った時は警備員が2人いましたが,特に威圧的な雰囲気はありませんでした。商業施設内のカフェを併設した書店で息子と2人で昼食を取り,その後息子が書店で立ち読みをしている間に一人で屋上に上ってみました。
屋上はまあ,最近の商業施設の屋上によくある感じのベンチが置いてあります。そして,一番南側にスケートボード場が,次にビーチバレーコート,それに隣接してボルダリング施設がありました。いずれもフェンスがあり,鍵が閉まっていました。どういう場面で使うものか分かりませんが,いずれにせよ公的な公園とはとても呼べないものになっていました。北の方に移動すると管理事務所があり,その室内でも何かできるようになっているようです。
2020年8月23日(日)
府中TOHOシネマズ 『東映まんがまつり』
息子は昨年から野球を始めた。今年の前半は活動自粛で,大会も延期されたので,最近は毎週末野球の予定で埋められている。この日は午後からの練習ということで,朝一に観たがっていた映画を観に行った。昨年から復活した「東映まんがまつり」。「おしりたんてい」がメインで,昨年から引き続きの「りさいくるずー」に加え,今年は「仮面ライダー電王」「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」という4本立て。冒頭の「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」は非常に正統派の漫画で面白い。原作を読んでみたい。続いては「まんがまつり」というのに実写の仮面ライダー。まあ,元祖は石ノ森章太郎の漫画だからいいか。もうすっかりギャグになっていて面白い。着ぐるみ(?)の気持ち悪さはもう敵味方の区別がつきません。「りさいくるずー」は仮面ライダーを受けてのものになっていて,これがまた面白かった。そして,最後の「おしりたんてい」も安定した面白さを維持していますね。テレビアニメの回数もかなり重ねていると思いますが,アニメーションのクオリティが高いです。とはいえ,最近のアニメはすごく丁寧で,ある意味では「北斗の拳」とか,回を重ねる度にアニメの質が落ちていくような時代ではないんですね。
https://www.toei-mangamatsuri.jp/
2020年8月28日(金)
立川キノシネマ 『海辺の映画館:キネマの玉手箱』
またまた一人で観るときはキノシネマを選択。いくつか観たい作品はありましたが,今年になってなくなった大林亘彦最新作を観に行く。20年ぶりに監督が尾道に帰って来た,と謳っているが,実のところは空想的すぎて戦時期の尾道は少し想像できるものの,現実感はあまりない。晩年の彼の作品は独自の表現に達していて,横尾忠則的フォトモンタージュならぬシネモンタージュというべき手法。映画の最新技術的にはもっとこなれた滑らかな画面を作れるのだろうけど,あえてゴツゴツした画面で観る者に訴えかける。そして,なによりも本作の出演者の豪華さ。個人的には成海璃子さんと,TOHOシネマズの冒頭でしかなかなかお見かけしない山崎紘菜の出演が嬉しい。ちょい役では,中江有里や寺島 咲などの登場も嬉しいですね。3時間近い大長編でしたが,大林監督の最後の作品を観られて良かった。
https://umibenoeigakan.jp/


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