【映画評】『滑走路』『天外者』
2020年12月7日(月)
この日は保育園の個別面談の日。会社を有給休暇にした。以前新宿テアトルに行った時に『滑走路』という映画の前売り券を購入した。航空関係の仕事をしているので,直感的に観るべきだと思った作品。しかし,なかなか観る機会がなく,知らない間に上映劇場も減っていた。この日の面談は14:30。その前に観たいところだが,新宿で終映が13:35。特急停車駅に自転車を置き,急いで向かえば間に合うと判断し,観ることにした。結果的には余裕で間に合いました。
新宿テアトル 『滑走路』
さて,映画ですが,直感が当たり,素晴らしい作品でした。映画は3つの時代で構成されています。1つは中学生が主人公。いじめにあっている幼馴染を助けることで,逆に自分がターゲットに。助けた友達も不登校になる。しかし,一方で主人公はいじめをきっかけに一人の絵描き好きな女の子と仲良くなる。2つ目の時代は大学を卒業して国家公務員になり,厚生労働大臣の下で激務に追われる主人公。不眠の日々が続くので精神カウンセラーに通っています。3つ目の時代は水川あさみと水橋研二演じる夫婦の日常を描く。夫は学校の美術教師,妻は切り絵作家で仕事が増えてきて,パートを辞めて作家に専念しようとする。
何気なくこの3つの時代が入れ代わり立ち代わりで進行する。浅香航大が演じる2つ目の時代の主人公は,厚生労働省に訴えに来た過労死支援団体の人が持ってきた資料に目を止める。過労死自殺をした匿名の自分と同い年の男性が気になり,調べるとそれは1つ目の時代の主人公だった。そう,2つ目の時代の主人公は1つ目の時代で引きこもりになった少年だったのだ。また水川あさみ演じる女性のもとに届く中学の同級生からのSNSメッセージ。それは成田空港に展示してあった彼女の作品をたまたま見かけたという報告だったが,ついでのように,中学の時に仲が良かった男子が12年前に自殺したというお知らせがある。そう,水川あさみ演じる女性は1つ目の時代の絵描き好きな女性だったのだ。それぞれ12年ごとが経過して,13歳,25歳,37歳の3人の姿を描くような仕組みになっている。一時期はこういうのが流行ったが,奇を衒うことなく3つの時代が淡々と進むなかでそれらが歩み寄っていく。37歳の時点ではスマートフォンも登場し,現在と考えて違和感はない。そうなると,13歳の時代は24年前で1990年代半ばということになる。確かに携帯電話も出てこないが,ちょっといじめの描写が古典的すぎるような気がしないでもないが,携帯電話出現以前のいじめはそれほど変わらないか。
久しぶりの水橋研二,ちょい役の染谷将太,圧倒的な存在感を示す坂井真紀,本作が長編第一作のようだが1978年生まれの大庭功陸という監督にも今後注目したい。なお,本作は萩原慎一郎という詩人の作品から発想された作品だという。非正規雇用のなか詩作を続け,32歳で自殺したという。
https://kassouro-movie.jp/
2020年12月19日(土)
調布シアタス 『天外者』
今年最後に散髪をしようと調布へ。この日の息子は外部グラウンドで終日練習&試合だというので,出発時間の7時過ぎにお弁当をもたせたので,美容院の時間まで調布で観られる作品をということで,エヴァンゲリオンと悩みつつ,三浦春馬君を観ることにした。Wikipediaで調べると9歳の頃から映画に出演している。私が彼を意識し始めたのはいつ頃だろうか。当時はテレビドラマは観ていないので,映画でいうと恐らく16歳の時に出演していた『キャッチ ア ウェーブ』だと思う。加藤ローサ主演で,彼女のことは結構好きで,この作品は観た記憶がある。17歳の時の新垣結衣との『恋空』,そして決定的なのが20歳の時の多部未華子との『君に届け』ですね。それから映画にはそれほど多くは出演していないようですね。次は『こんな夜更けにバナナかよ』『アイネクライネナハトムジーク』くらいかな。
さて,本作は五代友厚の半生を描くものだが,恥ずかしながら私はこの人物を知らない。ということで,この映画から学ぶことは多かった。伊藤博文,坂本龍馬,大久保利通,西郷隆盛というそうそうたるメンバーの中で活躍する。そういう意味でも,本作から幕末から明治維新の細かい歴史を学ぶことは難しいが,雰囲気はなんとなく知ることができる。CGによる歴史的風景再現技術の現状も分かる。配役のなかでも面白かったのがTMレボリューションの西川貴教で,なかなかいい味出しています。しかし,ちょっと唐突だったのは,あれほど女郎に入れ込んでいた五代が,街中で会話を交わしただけの女(連佛美沙子)と結婚し子どもを持つところの展開が早すぎる。まあ,いずれにせよ三浦春馬の生きざまにも重ねて彼の半生を堪能できる作品。
https://tengaramon-movie.com/


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