【映画日記】『セイント・フランシス』『ハウ』『マイスモールランド』
2022年8月21日(日)
立川kino cinema 『セイント・フランシス』
『しんぶん赤旗日曜版』に映画評が載っていた作品。ここの映画評は,土曜日の朝のNHKニュースで時折流れる「緒川たまきのシネマ指定席」と同じくらい,いい作品を選んでくれる。予告編を観ても,(失礼な言い方だが)非現実的な美女が主人公でないというところから好感が持てる。34歳で未婚・非正規の主人公の女性が,同性愛者で,一人が黒人,もう一人が白人で妊娠中のカップルのナニー(家政婦)として,黒人の娘の世話をするという物語。とにかく学ぶことが多い映画。脚本は主役の女優ケリー・オサリヴァンが書き,私生活のパートナーが監督したという。標準から外れたライフサイクル・スタイルを送る登場人物たちは,とかく周囲の人々との不和を感じる。しかし,よくよく理解しようとすると,標準なんてものは相手に対する無理解から頭の中で作られる想像物に他ならず,ちょっとでも突っ込んで対話をしようとすると,少なからずその不和は解消される,ということを教えてくれる作品。もちろん,完全には解消されず,それだからこそ対話は続けられ,重ねられる。一歩踏み出して,対話を始め,続けていくことの大切さ。
https://www.hark3.com/frances/#
2022年8月28日(日)
立川シネマシティ 『ハウ』
いかにもお涙頂戴の予告編だが,犬童一心監督作品ということを信じて観ることにした。田中 圭主演映画ってものを観るのも初めてだが,彼が中心の映画ではない。あくまでも犬が中心なのだ。相手役(?)の池田エライザは人気女優ではあるが,数少ない映画でしか観たことがないので,私のなかでは印象が良い(基本的に人気の高い人を敬遠してしまうのだが)。ネタバレあります。横浜に住んでいた主人公と飼い犬のハウだが,長距離輸送のトラックに運ばれて東北地方北部まで運ばれてしまう。そこから横浜に戻るまでのロードムービー。米映画で『僕のワンダフル・ジャーニー』という映画があったが(実は観ていませんが),そこまで壮大な旅ではないが,東北から横浜まで,さまざまな人と出会い助けられながら犬が旅をする物語。東北地方ということで,東日本大震災や福島原発事故の傷跡なども描きながら,物語は進む。ラストはハッピーエンドではないのだが,このハウとの関わり合いは決して主人公を絶対的に考えるべきではないと教えてくれる。主人公自身も,この度のことは知る由もないのだが,そのことを悟る。通常,人間の人生と犬の人生の時間は人間の方が長いので,特定の犬の人生は特定の人間の人生の一部と考えがちだが,本作のように,特定の犬の人生に複数の人間の人生が通過する,そういうことだって十分あり得るのだ。
https://haw-movie.com/
2022年9月4日(日)
下高井戸シネマ 『マイスモールランド』
娘と母親が友達とサンリオ・ピューロランドに出かけるというので,息子と一日を過ごすこととなった。息子とは多くの映画を観てきて,近所の府中,調布,立川の映画館だけでなく,吉祥寺,新宿,池袋,渋谷の映画館にも行ってきた。また別の映画館で見ようと思い,今回は下高井戸シネマを選択。ちょうど,見逃してしまった作品を上映していたので,息子には少し難しいとは思うが,こういう社会派の作品は見せておきたい。
本作は原作があるようだ。クルド人難民を扱いながら,埼玉県を舞台にしているが,フィクションである。クルド人が集住する埼玉県の蕨市は「ワラビスタン」などとも呼ばれるようになっているが,本作では同じくクルド人が多く住むという隣接する川口市 が舞台。東京都と接していることも本作の物語上重要である。息子には事前に日本における難民の問題,入国管理局の問題を説明しようと思ったが,あまり熱心に聞いていないので,途中で嫌になり,そのまま観ることに。ただ,クルドの問題も含め,映画ではある程度説明されていたので,息子なりには納得した様子。息子は家でアニメを観ていても,男女間の恋沙汰とか,感情に触れるシーンなどでおとなしく座って見ることのできない質だが,本作も途中から頭を伏せたり,私に訴えるような眼をしたり,おとなしく観ていられなかったが,作品自体に興味がないわけではなかったので,そのまま観させることにした。彼にとってはそこそこ衝撃的な内容だったようです。確かに,私にとっても最後の方のシーンは,是枝監督の『誰も知らない』を思い起こさせるような箇所もありました。そういえば,韓英恵さんが小学校の先生役で出演されていました。すっかりおばちゃんになった池脇千鶴さんもいいですね。
https://mysmallland.jp/


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