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【読書日記】安保破棄中央実行委員会監修『辺野古新基地は必ず止められる』

安保破棄中央実行委員会監修(2019):『辺野古新基地は必ず止められる』あけぼの出版,80p.600円.

 

昨年開催されたJCPサポーターまつりに娘と出かけた際に購入した一冊。ちょっとしたフリーマーケットのようなブースで100円で入手。執筆者として,真栄里保,林竜二郎,小泉親司のお三方が名を連ねているが,著者の紹介や各自の執筆分担などの情報はない。

I】県民の歴史的大勝利を示した沖縄県知事選挙
II】辺野古新基地は絶対に「造れない」「造らせない」
 (1)翁長知事の「撤回」が意味するもの
 (2)立ちはだかる県知事権限
III】辺野古新基地計画は,最新鋭の海兵隊基地建設だ!
 (1)単なる普天間の「移設」計画ではない
 (2)「辺野古新基地はいらない」世論を多数派に
IV】「新基地断念」まで,決してあきらめない

私は恥ずかしながら,数年前まで辺野古という地名は聴いたことがあるものの,この事態をしっかりと知ることはなかった。その位政治的な問題には無関心だった。政治地理学の山崎孝史さんはずっと沖縄のことを研究していて,その成果をそこそこ読んでいたし,アルバイトとして勤務している会社では航空分野の部署にいて,防衛関係の業務もある。私自身は防衛関係の業務に携わることはないが,「キャンプ・シュワブ」という名前は数十年前から聞いていた。そう,辺野古に海を埋め立てて新基地が建設されるという風に一般的には語られるが,この陸上部にはすでにキャンプ・シュワブという米軍基地があり,そこと地続きで埋め立てられた場所に滑走路を造って戦闘機が離発着できるような「拡張」というのが正確なところだと思う。
ようやく数年前から政治的な関心を持ち始めると,沖縄の米軍基地・自衛隊問題はこの国の政治問題の大きなトピックの一つであることがすぐに分かった。この本が出た2019年以降,沖縄では米軍基地に飽き足らず,自衛隊の新しい基地が次々と建設され,事態はますます悪化の一途をたどっている。そういう意味でも,この本が出た頃は一つの転換点といえるかもしれないが,それ以前の状況がコンパクトに理解できる。
現在,沖縄県知事は玉城デニー氏になっているが,その前の新基地反対を掲げた翁長知事の話が何度か出てくる。翁長知事は20188月にガンで亡くなりますが,その直前まで表舞台に顔を出して辺野古の埋立承認の撤回手続きに入るという記者会見を行っていたという。夫を亡くした翁長夫人が県民集会で行ったスピーチにも触れているし,また辺野古が普天間返還の唯一の解決策という政府の見解と,米軍の見解の矛盾なども示しているし,学ぶことの多い一冊。

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