【映画日記】『ソウルの春』『本日公休』『わんだふるぷりきゅあ!』
2024年9月7日(土)
立川キノシネマ 『ソウルの春』
私は元々歴史には疎い人間だった。地理学者として30年,人文・社会科学者を自認するなかで歴史認識の必要性を感じつついろいろ読んではきたものの,基礎的な知識が足りないのと,特定の国の歴史に特化した読書をしてこなかったこともあり,お近くの台湾のことも中国のことも,朝鮮半島のことも断片的にしか知らない。しかも,現代史においてもしかりであり,この作品で描かれることはほとんどわかってなかったといってよい。もちろん,日本による植民地からの解放後,南北に分割されて独立国家となり,米ソ冷戦の代理戦争として朝鮮戦争が行われ,休戦後も韓国では軍事政権が敷かれ,民主化されたのは1988年のソウル・オリンピックが開催される前後であったという漠然とした知識しか持っていない。
この作品で描かれているのは1970年代の話。けっして私の生まれる前の時代ではない。ソウル・オリンピックまではまだだいぶあるが,タイトルからして「〇〇の春」といえば民主化運動のことなので,何も知らない私は冒頭で描かれる軍事政権が少しずつ崩れていく姿が描かれるのかと思いきや,軍隊内(政府内?)のもっとひどい奴らによる軍事クーデターが成功してしまうという話だった。史実を基にしているとはいえかなりエキサイティングな演出がなされ,途中まではクーデターを阻止しようとする正義感に満ちた人物が勝利するのかと思いきや,結局は悪者に政権が乗っ取られてしまうという時代の話。このことの史実も含め,その後の民主化への流れについては自分でしっかり勉強しなくては,と思った次第。
https://klockworx-asia.com/seoul/
2024年9月21日(土)
立川キノシネマ 『本日公休』
台湾映画。とある街の理容室を切り盛りする中年女性が主人公。夫には先立たれ,楽して金儲けばかりを考えている息子。美容師になったもののいろいろとうまくいかない娘。彼女は自動車整備士の男性と結婚して子どもも産んだが,些細な価値観な相違によって離婚。彼は子ども散髪にかこつけて義母のことを気にかけている。そして,ファッションデザイナーとして台北に住む娘。こちらはいかにも都会的な男性と同棲しているが,浮気をされている雰囲気。そんな親子関係を中心に,常連さんたち(登場するのは全て男性客)から慕われる小さな美容室を描いている。途中で日本の作品にもいくつか出演しているチェン・ボー・リンがちょい役で出てきたりして嬉しい。ちょっと冗長なシーンもあるが,台湾的な雰囲気のある素敵な映画。
https://www.zaziefilms.com/dayoff/
2024年9月22日(日)
府中TOHOシネマズ 『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険』
このブログでたびたび書いているように,娘は劇場版のプリキュアはそこそこ楽しみにしている。今回もしっかり前売り券を購入して特典をゲットして臨んだ。今回のシリーズ「わんだふるぷりきゅあ!」は飼い犬と飼い猫がプリキュアに変身して人間化するというもの。犬と猫に戻っている時も言葉を使ってコミュニケーションをとっている。そして今回の映画はゲームの世界に入り込んでしまうという設定で,「あつまれどうぶつの森」的なゲームなので,絵柄もこれまでのプリキュアシリーズよりも可愛らしい。そのせいもあってか,観客層は幼い子どもたちが増えたような気がするし,上映2週目の終末だったが,席もそこそこ埋まっていたように思う。新しいファンを獲得しているのか。ともかく,映画版のストーリーもよく考えられていて,十分に楽しめる内容だった。
https://2024.precure-movie.com/
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