住まい・インテリア

わが家ができるまで

引渡しが終わりました

わが家の話。設計がひと段落してからさっぱり家の話題を書かなくなってしまいましたが、当初の予定よりも1ヶ月近く早く工事は終わり、先日引渡しをしてきました。といっても、外構工事がまだ残っていて、引越しは今月末。まあ、当初の引渡し日に近いところでしょうか。

以前も書いたように、わが家は2階玄関なので、道路から玄関に入るのに橋を作らなければなりません。引渡しの段階ではまだ骨組みだけで、それを仕上げてもらわないと引越しはできません。ということで、ここでわが家の工事工程を簡単に説明しておきましょう。

1.基礎工事

わが家の工事に入る前、どの範囲に家を建てるのかということを確認する地縄立会いというのをしました。それが6月はじめくらいだったでしょうか。わが家の基礎工事は梅雨の時期に当っていたのですが、今年の梅雨はあまり雨が降らなかったので、この工程が予定よりも短く済んだということですね。

昔の家といえば、1階の床下は土むき出しの地面だったわけですが、最近は違います。床下からの湿気が上がってこないように、地面に砂利を敷き、防水シートを張り、その上にコンクリートを全面にわたって流してしまいます。確かにこれで家には湿気がきませんが、そのコンクリートの下はどうなるのだろうと素朴に疑問を抱いてしまいます。

全面に流し込んだコンプリートはベタ基礎と呼ばれ、そこから立ち上がりといって1階の壁の部分に垂直な仕切りを入れます。基礎自体の高さは40cmくらいになるようです。つまり、ベタ基礎から床下までにできた空間に排水などの管を通すわけですね。1階の床には床下点検口が設けられ、配水管などに損傷などがあれば、そこに人が入って修復するという感じです。

2.木工工事

立ち上がりの基礎の上に柱を入れます。この辺はあまり見学しないうちに工事が進んでしまったので、よく分かりません。ともかく、在来工法と呼ばれる柱の組合せで家を建てていく工法ではなく、わが家は2×4なので、かなり違うようですね。2×4というのは、通常より太い(?)2インチ×4インチの柱を有効に使って強度を確保するということらしいですが、床や壁が工場であらかじめ作られていて、それを運んで設置し、畳まれていた壁を立ち上げていくという工法のようです。ということで、基本的に壁の厚さは4インチ+α(その外側に石膏ボードを貼っていく)ということになります。もちろん、外壁はもっと厚いです。なので、従来工法では骨組みが出来上がった段階を「上棟」といいますが、わが家はその段階はあっという間に過ぎてしまいました。

この段階での立会いがありましたが、2×4といえど、屋内の壁はまだ柱でスカスカです。壁がないので広く見えるような、柱ばかりで狭く見えるような、なかなか広さの間隔がつかめません。この日の立会いは電気工事に関するものでした。電気は当然床や天井、壁にコードが埋め込まれ、コンセントやスイッチが壁に配置され、照明器具の接続器が天井につけられます。

3.外壁・屋根工事

わが家は外断熱とのこと。ですので、電気工事立会いのときに内側から見た外側の壁の内部に断熱材は入りません。石膏ボードを内側に貼って、中は空洞のようです。外側にはモルタルを塗り込むための細い針金のようなものでできたものが貼られていました。私はモルタル工事の現場も、その状態での仕上がりも直接は見ませんでしたが、妻は何度も現場に立ち寄っていたので、写真を撮ってくれていました。非常にきれいにモルタルが塗られています。そして、最終的にそこにまた材質としてはモルタルのようですが、わが家が選んだのはJストンコートという製品(標準仕様です)が吹き付けられます。住友林業の場合はオーナーサイトがあって、パスワードでログインすると、現場写真が見られるようになっています。どうやら、この吹き付けには非常にシンプルな道具が使われているようです。これで家全体に吹き付けるのは大変そうだ。

屋根についてはわが家は標準仕様のスレート瓦です。瓦が貼られる前の状態も一応見ましたが、屋根はやはり近くでは見られないので、正直よく分からない。ただ、何度か書いているように、わが家は2階玄関なので、比較的屋根は近くで見られます。そして出来上がってみると、屋根の存在感はけっこうありますね。

2.内装工事

内装工事も私が行けていない間にどんどん進み、電気工事立会いの次に訪れた時には石膏ボードが全て貼られていました。これで全体の広さの感じが分かりましたが、やはり壁紙を貼るかどうかで明るさの印象も違いますね。床板も既に張られていましたが、工事中は大工さんが傷つけないように養生されていて、床板はほとんど見られません。順序は前後しますが、最終的に壁紙が貼られます。今住んでいるマンションは私たちが入居する前にリフォームされて、壁紙などは全て貼り直されたものですが、いくつか気になる点があったんですよね。もちろん、新居では全て石膏ボードの上に貼られ、今のマンションは鉄筋コンクリートなので、一部は直接コンクリートの上に貼られているようで、施工の状態も違います。しかし、やっぱり新築の仕上がりは大分違います。素晴らしい仕上がりでした。

3.ユニットバス、システムキッチン、トイレなど

ユニットバスは大分早い段階で取り付けられました。その名の通り、出来合いのものがはめ込まれるものなので、途中の段階は見られませんでしたね。ただし、今回は念願のお風呂に窓がついています。システムキッチンは本来壁側に取り付けるタイプのI型をアイランド的に設置してもらっています。よくありがちな上の棚はやめてもらって、換気扇のところには壁をつけ、シンクの手前にはカウンターをつけてもらいました。システムキッチンといいながらもいろいろ融通は利くようです。トイレの設置はかなり遅い段階だったようです。こちらは特筆することなし。

4.建具

やはり一戸建てとなるとドアの数も多いですね。2階からいきますと、当然玄関ドアがあります。玄関を入ったところにはトイレと収納があります。トイレの開き戸と、収納は奥行きが小さいので折り畳んで開くタイプ。どちらも標準仕様ですが、白いものにしてもらいました。玄関からダイニングキッチンに入るドアは別のメーカーの商品を取り寄せてもらい、しかも床にレールが付かない釣り戸にしてもらいました。ダイニングキッチンから和室に入る戸襖は、ダイニング側はダイニングと同じ壁紙を貼り、和室側も和室と同じ壁紙を貼っています。なぜか、この戸襖の取り付けはかなり遅かったです。そして和室には押入れ襖。こちらも別の柄の壁紙を貼ってもらいました。

1階に下りるとすぐに水回りがあります。そこに入る引き戸は標準仕様。中にはお風呂のドア。こちらも引き戸にしたかったのですが、標準仕様の折り畳み戸。1階には夫婦の寝室になる和室への入口の引き戸と子ども部屋になる洋室の開き戸があります。洋室のものはウォールナット色にしました。

まあ、そんなところでしょうか。出来上がりに関しては、今後気が向いたらウェブ内覧会などもやるかもしれません。

922日に竣工立会いがありました。事前に無料の講習会を受け、チェック項目を確認しておきましたが、やはり新築の家に入ると感激してしまいますね。粗探しはなかなかできません。といいつつ、やはり図面からでは分からない細かな指示が現場には伝わっておらず、施工しなおしてもらった箇所がいくつかありました。しかも、その中の1点は引渡しの時に気づいたのです。不幸なことにそれは壁紙の貼り替えも伴うもので、その壁紙は使い切ってしまっていました。結局、工事用の鍵を預けたまま、私たちも工事用の鍵で当分は出入するということになりました。

写真もありますが,今引っ越し作業でいろんなものを段ボール詰めしてしまい,カメラからデータをパソコンに取り込めないので,写真が引っ越し後のお楽しみ。

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標準仕様と提案工事

以前書いたように、住友林業の注文住宅には標準仕様というものがあります。価格的にはできるだけ標準に合わせた方が楽だし、安いのですが、やはり注文住宅ですから、こだわりたいところはこだわりたい。また、はじめから標準仕様には含まれていないものもあります。それがインテリアとエクステリア。インテリアだと壁紙は標準のなかに含まれますが、照明器具とインターフォン、またカーテンの類は標準という考え方はありません。また、わが家の場合2階玄関ということで、外の道路から玄関に入る橋はどうしても住友林業さんにお願いしなくてはなりませんが、その他フェンスなどはお願いしなくても大丈夫です。ただし、こうした部分を他の業者にお願いすることになると、ローンに組み込むことはできなくなり、現金での出費が大きくなります。インテリアとエクステリアについてはまた詳しく書くことにして、今回は住宅に必要なものについて書くことにしましょう。

・トイレ
トイレの標準仕様はTOTOとLIXIL(INAX)から選びます。アップグレードであればタンクレスなどももちろん選べますが、標準仕様はタンクあり、リモコンが便座と一体型のタイプです。標準仕様ではトイレ内のちょっとした収納棚や手すり、ペーパーホルダーやタオルかけが付きます。また、当初の段階ではそれにプラス、提案工事ということで手洗い器もつけたらどうだという話がありました。わが家はトイレにはあまりこだわりはなく、むしろウォシュレットもなくていいかなとも思いましたが、その場合値段は変わらないといわれ、そのままに。そして、手洗い器はつけないこととし、タンクの上部に水栓がついているタイプを選びました。収納棚はなくし、ペーパーホルダーとタオルかけは標準品のデザインがイマイチなので、自分たちで買うことにしました。2階だけは手すりをつけています。ちなみにTOTOを選択。

・ユニットバス
こちらについても標準仕様。4社の選択肢がありましたが、こちらはLIXILを採用。お風呂の広さもいくつかありますが、ごく標準的な1坪タイプです。浴槽は標準仕様のなかから、半身浴ができるタイプを選択。わが家は風呂場に鏡は不要ということで、とりつけず、洗面台の前にでもつけようかと今は考えています。プラスティックのシャンプー棚などもつけません(安くはなりませんが)。後は壁の色を決めなくてはいけません。いわゆるアクセントパネルというやつですね。
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↑住友林業仕様はちょっと違いますが,こんな感じです。

・キッチン
わが家は妻が子育てで休職中から、現在に至るまで食事の担当は妻になることが多いので、キッチンには妻の要望を活かしました。キッチンも4社の選択肢があります。また、いわゆる壁に向かって据え付けるタイプと、独立したアイランドタイプがありますが、このアイランドタイプが以外に奥行きがあって、ダイニングの広さを確保しつつ、対面式を可能にしたいということで、壁据え付けタイプをアイランド形式で取り付けることになりました。要するに、壁に当たる部分にちょっとしたカウンターを現場で取り付けてもらい、またガスレンジのダイニング側には壁をつけてもらいます。キッチンそのものはクリナップのものを選びました。長年使うことを考えて、キッチン本体がステンレス製というのが決めてです。木製だと腐食したりカビが生えたりという心配があります。換気扇だけは標準仕様をちょっとアップグレードして、掃除がしやすいタイプにしています。ちなみに,食器洗浄機は外してもらいました。こちらも差額が戻ってきます。
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↑こちらもちょっと違いますが,こんな感じ。

・靴箱
標準仕様の靴箱はとても大きなタイプです。もはや靴箱とは呼べない天井近くまである収納で、手をかける高さあたりにくぼみがあって、コの字になっています。夫婦揃って、この靴箱はいやだということで、収納能力は低くなりますが、高さの低いものにしてもらいました。この場合にはわたしたちの選んだもののほうが安く、差額が出ます。

・洗面台
洗面台も同様で、機能性と収納能力を重視した標準仕様が気に入らす、いくつか探しましたが、結局こちらは現地で作ってもらうことになりそうです。イタリアなどから洗面器を輸入しているサンワカンパニーという会社があり、こちらで洗面器を購入します。もちろん、ここでは水栓などの器具も扱っていて、そちらは日本製だというので揃って購入する予定。わが家の洗面台でこだわった点は洗面器の横に化粧台を設けるということです。座って化粧をするために、下の部分に収納は置かず、足が入るようにします。
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↑こんな感じの洗面器です。

もうすでに長くなってきたので、今回はこの位にしましょう。実はまだ玄関ドアや室内ドアなどが決まっていません。玄関ドアは標準仕様から選ぶ予定なのですが(玄関ドアはかなり高いので、こちらで標準以外のものにすると大変になりそう)、わたしたちが写真から選んだタイプの実物を確認できていないので、まだ保留。室内ドアも基本的には標準仕様から選ぶ予定ですが、玄関からダイニングキッチンに入るドアくらいはいいものにしようと今検討中。


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間取りの決定

住友林業の注文住宅にはいろんな人が関わる。すでに紹介したのは営業担当のFさんと、別会社だが土地担当のOさん。Oさんの役目は土地引渡しの3月末で一応終了してしまったが、Fさんは建物本体の総元締めみたいなものだから、建物の引渡しまでのお付き合いになる。諸々の手続はFさんの担当。実際の建物の設計は設計担当のWさん、そしてインテリア担当のTさん、こちらも別会社ではあるがエクステリア(外構)担当は住友林業緑化という会社のKさん。まだお会いしていませんが、工事が始まると現場監督の担当者がつくらしい。そんな感じで、まずは間取りからということで、当分は設計担当の人との打ち合わせが続きます。

まずは間取りから。
前にも書いたように、わが家は2階玄関ということで、ダイニングキッチンは2階にするというのが大前提だった。夫婦の寝室と子ども部屋は1階にして、ダイニングキッチンの隣には4畳半くらいの小さな和室を置くことも決定。本人はどういうか分からないが、埼玉で一人暮らしをする私の母との同居も視野に入れて、そうでなくてもゲストルームとして利用できるし。
当初は母の存在を考慮に入れて、母が階段の上り下りをせずとも生活できるように、バスと洗面も2階におくつもりだった。一方で、キッチンは対面式がいいという要望だったが、この条件はなかなか厳しかった。これを可能にするにはシステムバスを少し小さめのにしたり、リビングがかなり手狭になったりした。一方で、1階には6畳ずつの部屋を2つ作っても、中途半端に余ってしまうスペース。といっても、今6畳の部屋の両壁を専有している私の本棚たちのスペースも確保しなくてはならない。妻はこれら本棚はキッチンダイニングには置かない、寝室には置かない、と主張していたので、ここも難しいところ。
すったもんだで、解決策は以下のとおり。まず、全体の建物形状を見直し、長方形の建物形状を、5角形の建物敷地をできるだけ活用するように、南側に1.5畳分はみ出した形に変更。これによって、1階の寝室と2階の和室をちょっと移動します。それでもダイニングキッチンを広くするのは難しいので、思い切ってバスと洗面を1階にもっていくことに変更。今度は私の本棚スペースの確保が難しくなりましたが、階段の位置と形状を見直し、IKEAの本棚の組み合わせを変更することで、配置を見直すことで、なんとかうまい配置をひねり出す。バスと洗面を移動した結果2階にはちょっとしたゆとりの空間ができ、キッチンの奥にパントリーを設置、1階の寝室にはウォークインクローゼットを配置した。ただし、ウォークインクローゼットはその名の通りというか、そこを経由しないと部屋の出入ができないような配置になってしまった。これも全て私の本棚のせい。しかし、かなり試行錯誤でたどり着いたこの間取りによって、新しい本棚の拡張可能な壁も140cm確保することができた。今ある本棚は最高でも180cmの高さだが、今度は引越しする必要もないし、転倒防止のために壁につけることもできるので、天井までの本棚が欲しかったのだ。まあ、本は研究者の命ですからね。減らすのは忍びないのです。1階のこのスペースは見渡す限りの壁が本で埋め尽くされるということにできればと思います。

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こちらが1階の間取り。ほぼ北が上になります。

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そして,こちらが2階の間取り

さて、これが最終的な間取りですが、いくつか導入しようと思って諦めたものがあります。
・バルコニー:これは一戸建ての必須と思いきや、わが家では採用されませんでした。もちろん、当初はありました。非常に一般的な、出来合いのものを2階の南側にくっつけるような。でも、私は当初から洗濯物を干すだけのベランダは要らないと思っていました。しかし、一方では2階のダイニングキッチンから床まである窓、そしてバルコニーへと続いていく解放的な空間は欲しいと思っていましたが、広いバルコニーはなかなか難しいしお金がかかる。ということで、一度諦めたのですが、Wさんが南側に建物形状を出っ張らせる案と一緒に、その上にもっと大きなバルコニーをつけたらという案をもってきてくれました。それとともに、最終的に採用されたダイニングキッチン上吹き抜け案が追加されたのですが、両方を採用するには予算的に厳しく、最終的にはバルコニーよりも室内空間を優先し、バルコニーは却下となりました。
・エントランスクローク:これは最近けっこう流行っていて、玄関に靴のまま入れる収納空間を作るというものです。こちらも当初の案にありました。これもいいなあと思っていたのですが、最終的に階段の位置を変更したりした結果、そのスペースがなくなりました。
・ロフト:やはりマイホームとなると必然的にモノが増えていきます。それらをどこにしまうかということで、ちょっと欲しかった空間。法律上は、屋根の高さが140cmを越えなければ階数には入らないということのようで、その床面積は容積率にも含まれないということのようです。しかし、ロフトに上がる階段を現実的に考えて却下になりました。はしごを作るとすると、荷物を持ってはしごの上り下りが不便だということと、常設階段であれば、滅多に使わないものに重要な空間を割いてしまうことになる、まあそんな理由です。
・ステップフロア:これも少し前に流行ったものですが、1階2階と明確に分けるのではなくて、1階、1.5階、2階のように、立体的に空間を利用する間取りのことです。これに収納のための140cm未満の高さの空間も組み合わせると、なかなか面白い居住空間になるということで、住友林業も他社を真似してそういう商品を作ったようですが、実際には空間効率が悪いという話を聞き、却下。
まあ、そんなところですかね。最終的にわが家ではダイニングキッチンの上方に吹き抜けができ、天窓ではないのですが、そこに南向きの窓をつけました。他にもパントリーやウォークインクローゼットを採用し、決して収納の多い間取りではありませんが、モノを増やさないように気をつければそれなりに収まるのではないでしょうか。


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住友林業の注文住宅について

さて、今回は冒頭でなぜわが家が住友林業の家になったのかを簡単に説明し、その後、その注文住宅について書こうと思います。

以前も日記でちょっと書いたのですが、発端は昨年の何月だったか。私が外出先から帰宅する途中の東府中駅前で家族と待ち合わせをして、駅周辺で昼食を取ることになりました。食べ終わってお店から出ると、パラパラと雨が降ってきたのです。東府中駅前には住宅展示場があり、きちんと見学したことはありませんでした。ということで、興味本位で、そして雨宿りついでに入ったのが、住友林業のモデルハウスでした。数あるモデルハウスのなかでなぜ住友林業を選んだのかはよく分かりませんが、まあ結果的にはここのモデルハウスはけっこういいおうちなのです(二世帯住宅ですが)。
この日は他のお客さんはあまりいなくて、結局一人の営業マンが付きっ切りになりました。私が子どもの相手をしたり、トイレに行ったり(ちなみに、モデルハウスにもトイレはありますが、大抵は使用禁止で、事務所まで行かなくてはなりません)している間に、妻がそれなりに話を聞いていたようです。というのも、私ははなからマイホーム願望はなかったのですが、妻は密かにあこがれていたようなのです。ということで、その日以降、その営業マンからかなり頻繁に電話がかかってくるようになりました。そして、私が仕事で不在中の夕方にその営業マンはわが家を訪れて、妻にかなり詳しい説明をしていたようです。私は正社員ではないし、収入もそこそこしかないので、マイホームが購入可能とは考えていなかったのですが、そのあたりの可能性についてもいろいろ説明を受けていたようで。ということで、その後、住友林業が主催するイベントに参加したりしていたのですが、私の身の振り方が不安定な状況で都内に家を買うということを私は躊躇していたこともあり、それ以上話は進展しませんでした。
しかし、その年に応募していた大学の職が全てだめだったことを受けて、私のわがままで今後の家族計画を決めてもいけないと思い直し、年明けくらいから少しずつマイホーム購入に前向きに検討する覚悟を決めたわけです。すると、年明けはけっこう住宅メーカーが新春イベントをやっていて、改めてその住宅展示場を見に行く予定を立てました。もちろん、住友林業以外のメーカーも含めて検討するということです。どこから入ろうかということでしたが、息子がなんとなく興味を持ったのがへーベルハウスの旭化成でした。そこでも一通り話を聞きますが、妻はどうやらこの営業マンがひどく気に入らなかったらしく、モデルハウスを出るなり、住友林業のモデルハウスに行き、前に世話してくれた営業マンを呼んでもらいました。しかし、その間にその人の担当が変わっていたらしく、不在でした。でも、もちろんお客様重視ですから、翌日だったら来ます、という返事をもらって、翌日またモデルハウスへと出向いたわけです。
私は妻の行動がよく理解できないまま、そしてすっかり大雪になってしまったその日、朝からモデルハウスに向かいました。すると、なぜか「では、早速土地探しから」といって、住友林業ホームサービスという関連不動産会社の担当者を紹介され、物件情報を見たりと、長時間モデルハウスで過ごすことになりました。幸か不幸か雪はどんどん激しくなり、帰るに帰れないし、他のお客さんは全く来ないし、で昼食を近くで購入してモデルハウスで食べたりと滞在は5時間あまりに及びました。
ということで、そこからは話がトントン拍子で決まってしまうということになります。

その後の話は後日ということで、今回の後半は住友林業の注文住宅について説明することにしましょう。
大手ハウスメーカーのいう注文住宅は、全て施主の意向に合った自由プランというわけではなく、パッケージ化された商品があらかじめあります。二世帯住宅なのか、子どものいる世帯か、などといった家族構成や土地の広さなどに合わせて名前が付けられているんです。住友林業はその名のとおり、基本的に木造建築専門です。しかし、その工法は3つほどあります。1つ目は在来工法と呼ばれているものですが、住友林業独自の「マルチバランス」と呼ばれるものです。2つ目は最近出てきた「ビッグフレーム」という工法があります。これは柱と壁、という概念ではなく、柱を兼ねた壁というか、壁を兼ねた柱というか、大きな部材を使用することで、内部の間仕切りや窓をかなり自由に、大きな空間を確保できるというものらしいです。そして、3つ目がわが家の工法になったツーバイフォーです。ツーバイフォーは他社が先行して売り出していたものですが、住友林業の場合ツーバイフォーで住宅建設を行っていた会社を買収(?)する形で行っているようです。結果的にツーバイフォーになったとき、わたしたちは少し残念でした。それだったら住友林業でなくてもいいのではないかという懸念ですが、まあ最終的にはそれはどうでもよくなりました。ちなみに、なぜわが家がツーバイフォーかというと、ツーバイフォーの場合1階と2階の間の床の厚さが他よりも薄くなり、比較的コンパクトな建築物になるということです。わが家の場合、北側斜線が影響してきて、2階の北側の天井が低くなってしまうという問題がありましたが、ツーバイフォーであればその影響を比較的小さくできるというものです。
先ほど、パッケージ化されたと書きましたが、住友林業の注文住宅には「標準仕様」というものがあり、さまざまな部材の標準品が決められている。屋根材、外壁、玄関ドア、室内ドア、壁紙、床材、トイレ、ユニットバス、システムキッチン、下駄箱、玄関タイル、窓サッシ、畳、洗面台、などなどです。もちろん、それらは一つではなく数種類から選ぶことになっています。それらの商品はそれぞれのメーカー(例えばキッチンの場合、LIXILやYAMAHA、クリナップなど)が住友林業用に大量に作ったもので、だからこそ一般に販売されている類似商品よりもかなり安い仕入れ価格で入れることができます。ということもあり、この標準品以外のものを使いたい場合には単純に商品間の差額だけでなく、仕入れ値の差もあるので、かなりの上乗せになるということです。ちなみに、上記以外に住宅建設に必要なものは「提案工事」ということになります。そこに含まれるのはカーテンや照明ですね。
なので、以前も書いたように、一軒家を新築するといっても、大手ハウスメーカーにするのか、地元の工務店か、あるいは建築事務所にお願いするのかを検討する際、ハウスメーカーの注文住宅がどういうものであるのかということを知っていたほうがいいことになります。しかも、私は住友林業しか知らないので、他のメーカーの標準仕様についても知っておくといいですね。

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