アップリンク続き
2019年1月13日(日)
吉祥寺アップリンク 『20センチュリー・ウーマン』
2016年の作品ですね。すでに日本の公式ウェブサイトはなくなっていますが,映画サイトで情報を観ると,『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督作品とのこと。1979年のサンタバーバラを舞台に15歳の少年の成長を描く,とありますので,少年は私より少し年上の設定ですが,こういう時代設定,とても好きです。
そして,この少年を演じるルーカス・ジェイド・ズマンという俳優がとても輝いています。相手役のエル・ファニングもちょっと擦れた訳がなかなかいいです。とにかく,個性的な一人一人の登場人物が輝いていて,古き良き時代というノスタルジーとともに輝いている映画。とはいえ,私が否定したくなるような有体のノスタルジーではなく,想像上に創造される芸術的ノスタルジーといったらよいだろうか,忠実な過去の再現でもなく,過去の美化でもなく,フィクションとして描かれる史実と空想に基づく世界。
2019年2月3日(日)
吉祥寺アップリンク 『鈴木家の嘘』
上映が始まる直前に急に思い出した。そういえばこの映画,私の通う美容室のお姉さんが観たっていってたな。予告編を観ると『グッバイ,レーニン!』と似た設定だと思うんだけど,お姉さん曰く「だいぶ違う」と。彼女の中で『グッバイ,レーニン!』はかなり好きな映画なので,少し残念だったと。確かにその通りで,いきなり加瀬 亮演じる鈴木家の長男が自室で自殺するシーンがかなりリアルに描かれる。確かに,彼がアルゼンチンで頑張っているんだという演技をする家族の一員としての大森南朋の役どころはコメディだが,それ以外の要素はかなりシリアスだ。加瀬 亮も冒頭で死んでしまうが,数少ないシーンはまさに彼ならではの存在感を見せている。そして,なんといっても私の心を鷲摑みしたのが,妹を演じる木竜麻生という女優さん。どうやら2018年はこの作品以外に『菊とギロチン』の主演で,キネマ旬報で新人女優賞を獲得したという。表情によって顔の見え方が違うというのが私の印象だが,それがいかにも映画向きだと思う。テレビドラマは出た瞬間に誰だか分からないといけないが,やはり映画は俳優は誰でもいいのだ。その登場人物に見えることが重要だと私は思っている。そういう意味で,非常に期待したい女優さんだ。
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