広沢タダシについて
私にはいろいろなチケットを取っておく習癖があり、映画はそれこそ20歳の頃からチケットを取ってある。最近はさすがに前売り券で購入することがなくなってしまったが、20年位前までは、映画を観る当日にチケット屋に前売り券を買いに行って、いわゆる絵入りの前売り鑑賞券で観て、半券を取っておいたものだ。それは音楽ライブについても同様で、取ってあったチケットをエクセルで管理し始めたのが2001年以降。
その頃行っていたのは、BONNIE PINKとleyona、アナム&マキと遠藤賢司程度だったが、アナム&マキを聴くために、下北沢の440などには行ったことがあった。2003年の12月に渋谷AXで開催された佐野元春のイベントに行った。佐野元春は高校生の頃によく聞いていて、ライブビデオもレンタルしたことがあったくらいだが、コンサートに行ったことはなかった。そのイベントでは佐野元春のステージはほとんどなく、彼が最近注目するシンガーソングライターを招き、1曲一緒にセッションして、後はかれらのステージを自分のファンに見せるというものだった。それに出演していたsaigenjiのインパクトが強く、当時彼を目玉にさまざまなイベントを開催していたイベンター「orbit blender」のイベントに行ったのがやはり440だった。そのイベントにsaigenjiは参加していなかったが、そこで知ったリトルハンセンやビューティフルハミングバード、そして次のイベントで知ったariやone toneのライブに行き始めたのが、30歳代の私の生活を一変させることになる。
ともかく、2004年には年に100回、2005年には200回、2006年には250回、2007年が最盛期で、311回のライブに行っている。そんななかで2005年7月29日の川崎クラブチッタで初めて広沢タダシの存在を知った。ライブには通っていたが2000年前後にメジャーデビューをしたミュージシャンを知っていたわけではない。広沢タダシは2000年にインディーズアルバム『愛の時代』を出していたが、そこに収録された11曲のうち6曲を含む11曲入りアルバム『喜びの歌』が東芝EMIから2002年に発売されている。ということで、メジャー・シンガーとして2003年にアルバム『理想郷』を出し、同じ年にはこれまでの曲を彼と近しい豪華なミュージシャンとセッションする『FRIENDS UNPLUGGED』を発売している。と偉そうに書いたが、この頃の彼を私は知らない。彼の歌声に惚れて、過去のCDを買い集めたのだ。ともかく、私が知った頃の彼はレコード会社との契約が切れ、自らのレーベル「Atomic Monster Records」を立ち上げているが、私の持っているもので、2006年のシングル『右手に夕焼け 左手に朝焼け』から2008年に押尾コータローとのデュオで出したシングル『Babym it's time』までは発売元はAVEXになっている。それはともかく、その私が彼の歌声を初めて聞いた川崎クラブチッタのイベントの他の出演者は私のデータに記録されていない。どういう形でそのイベントに行くことになったかは不明だが、ともかく8月1日に発売されるそのCD『流れ星が消えるまでに』が初めてライブ会場で販売されたのだろうか。彼を目当てに来たお客さんの列ができ、私もそこに並び、CDを購入し、サインをもらったことになる。
ということで、そこから2010年9月まで、彼を見に行ったライブは以下の通り33回となる。
2005/7/29 川崎クラブ・チッタ 広沢タダシ
2005/9/17 新宿タワーレコード 広沢タダシ
2005/10/8 川越鶴川座 NUU/鈴木亜紀/humbert humbert/ハシケン/東京60watts/広沢タダシ
2005/11/12 赤坂graffiti 広沢タダシ
2005/12/20 渋谷SPUMA life/広沢タダシ
2006/4/29 渋谷B.Y.G 広沢タダシ/リクオ
2006/5/4 赤坂GRAFFITI 竹仲絵里/広沢タダシ/浅田信一
2006/5/31 渋谷O-West 広沢タダシ
2006/6/18 新宿タワーレコード 広沢タダシ
2006/7/1 下北沢440 寺岡呼人/広沢タダシ/矢野真紀
2006/7/30 本八幡3rd stage carwatching/広沢タダシ/POP CHOCOLAT/base ball bear
2006/8/28 渋谷O-East 新宿フォーク/東京60WATTS/広沢タダシ/baby boo
2006/9/8 赤坂GRAFFITI こじまいずみ/矢野真紀/広沢タダシ
2006/12/13 渋谷O-West 広沢タダシ
2007/1/14 代官山晴れたら空に豆まいて 酒井ヒロキ/リクオ/広沢タダシ
2007/2/6 渋谷BOXX 椎名純平/松崎ナオ/染谷 俊/kengo/広沢タダシ
2007/5/9 渋谷O-West 広沢タダシ
2007/6/24 原宿LAFORET MUSEUM 広沢タダシ
2007/6/29 逗子音霊SEA STUDIO 斎藤 誠/広沢タダシ/矢野真紀
2007/7/16 新宿タワーレコード 広沢タダシ
2007/9/6 渋谷BOXX 広沢タダシ/寺岡呼人/リクオ
2007/10/31 渋谷duo music exchange Yu:ki/芙咲由美恵/広沢タダシ/千綿偉功
2007/12/21 渋谷AX 広沢タダシ
2008/4/27 入間so-so 広沢タダシ
2008/6/29 原宿ラフォーレ・ミュージアム 広沢タダシ
2008/9/13 渋谷duo music exchange 広沢タダシ/岡野宏典/東京60WATTS
2008/10/5 吉祥寺井の頭公園西園 広沢タダシ/竹仲絵里
2008/12/22 赤坂BLITZ 広沢タダシ
2009/8/12 横浜THUMBS UP 広沢タダシ/矢野まき
2009/9/19 渋谷duo music exchange 広沢タダシ
2009/9/30 高田馬場club phase 竹仲絵里/広沢タダシ
2010/4/4 横浜THUMBS UP 広沢タダシ
2010/9/14 代官山晴れたら空に豆まいて 佐藤 歩/岡野宏典/sowan song/広沢タダシ
ご存じの方もいると思うが、同じ亀田誠司プロデュースということで、矢野真紀(現在は矢野まき名義で活動しています)さんと仲が良く、この2人が共演したライブにも4回ほど行っている。なかでも、逗子の海の家はよく覚えている。海の家ということで、居心地の良い楽屋がないことを知っていて、当時広沢タダシだけでなく共通に聞くミュージシャンが多かったことで仲良くしていた友人がいたので、一緒に出待ちをしたのだ。矢野真紀さんのCDを持って行ってサインをもらうつもりで。案の定真紀さんが出てきたので、ひとしきりお話した記憶がある。といいながら、隣に広沢君がいたかどうかは覚えていない。ただ、ステージ裏から観客を見下ろすことができる場所があり、そこで仲良く話をする広沢君と真紀さんの姿はよく覚えています。
それ以外では、東京60wattsとは仲良くしていたようです。また2006年7月のライブは寺岡呼人さんの「呼人の部屋」というイベントで、そこにも招待されていて、呼人さんやリクオさんなど、一回り上の世代のミュージシャンからもかわいがられていたようです。矢野真紀さんともう一人気になるのは竹仲絵里さんです。竹仲絵里さんも私はよく聴いていますが、そのきっかけは2006年の赤坂GRAFFITIで広沢さんと共演した時だと記憶しています。他にもこの2人の共演は2度も聞いていたようです。
それはともかく、私は2009年に結婚し、2010年10月に長男が生まれます。ということで、2011年からはほとんどライブに行くことがなくなり、長男が生まれる前に発売されたアルバム『雷鳴』で、私の広沢タダシ暦も一区切りしたように思います。子どもとともに家族で生活していると、毎日のようにCDでも聴いていた音楽は聴かなくなるんですね。そういうことで、ふと思い出して2011年に発売された『ジャメヴ』はなんとか購入してたまに聞いていましたが、それ以降は新譜の情報を得ることもなくなりました。
転機はコロナ禍ですね。毎日の通勤がなくなり、自宅での勤務が続きました。これを機に、手元にある大量のCDを一通り聴くことになりました。在宅勤務も10ヶ月が過ぎ、2021年を迎える頃に一通りのCDは聴き終えました。在宅勤務では、手元にタブレットCDを置いて、プライベートなメールチェックなどもしていたのですが、何気なくこれまで避けていたYouTubeで、好きだったミュージシャンの名前を検索するなかで、広沢タダシさんがYouTubeで無料の配信ライブをしているのを知りました。はじめにしっかり見たのは、昨年発売されたアルバム『Night Songs』発売記念として、録音スタジオから配信されたライブのアーカイブ映像でした。1曲1曲の配信映像は多くのミュージシャンがやっていますが、2時間近いライブを無料で一気に配信するのは今でもあまり他に出会っていません。ともかく、それを機に、広沢タダシのYouTube配信ライブ「ナイト・ソングス」のアーカイブを続けて見る生活が続きました。2020年3月から平日は毎日配信され、7月のアルバム発売をもって一区切りし、そこからは水曜日のみの配信です。しかし、その間にも週末の特別配信や特別企画などもありました。残念ながら午後10時からの生配信を聴くことができませんでしたが、先週の99回までの配信をアーカイブですべて見てきました。
『ジャメヴ』以降も広沢さんは数枚のアルバムを出している。そして、最近は「ライブレコーディング」と称して、メジャー時代のアルバムは今は手に入りにくくなっていることもあり、その収録曲をライブレコーディングするという作業をしていて、こちらも数枚の作品が、彼のサイトの通販で発売されている。それらを聞きたかったが,ちょうどその頃妻が15年以上前に購入して使ってきたCDコンポが故障し,CDが聞けなくなっていたこともあり,CDの購入をためらっていた。しかし,しばらくして新しいCDコンポを買うことになった。実はわが家には大量のレコードがあり,またレコードプレーヤーもある。これらを眠らせているのももったいないので(子どもが小さいうちはレコードをかけるという行為自体が非常に危険だったが,今なら大丈夫),接続できる機器を探していた。一度は近くのビックカメラで相談したが,中途半端なものを買っても満足する音は出ません,といわれ保留していたのだが,サンスイの真空管ハイブリッドタイプのコンポの存在を知り,購入した。こちらは見つけた当初は25000円だったが,購入を真剣に検討し始めた頃,21000円台に値下げされていた。手持ちのレコードプレーヤーのAUX端子を直接接続でき,レビューを読んでも「いくつか難点はあるもののこの値段でこの音は他にはない」ということだった。まあ,ともかく良い買い物だった。早速,最新アルバムの『Night Songs』とライブレコーディング第一弾『喜びの歌』を購入した。本人のサイトにある通販でしか購入できないが,サインを入れて送ってきてくれる。『Night Songs』に収録された新しい曲は,配信ライブでも何度も聴いていたが,やはり録音は格別だ。また,最近のレコーディングの歌声はライブのそれとは少し違っていて,こだわりがあるようだ。ライブレコーディングの音源も素晴らしく,彼の音に対するこだわりを強く感じる。最近の作品を少しずつ集めていくことにしよう。ともかく,最近の広沢タダシとの再会で,音楽に対して色々考えさせられることがあった。本当はそれについて,さらにつらつらと書きたいところだが,今回はこの辺りにしておきたい。
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